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あ、それと詳しいあらすじなどは全て暁のほうに記載されています。そこらへん、よろしくお願いします。

 -警察サイド-


 

 1203時。



 「アァ、ソぼぉン♪ヨお・・・」



 「ああ、いいぜ。こっちに来いよ」



 先ずは、こいつをここからどこかへ連れ出さないと!!



 「アハハ・・・おとーさん一緒に遊ぶー・・・」



 ・・・さっきから言動が少しおかしい。

 まるで、幼い子供のようだ。



 取調室のときとは大違いだな・・・。

 いや、ただ単に猫をかぶっていただけか・・・?



 まあ、今はどうでもいいか。


 

 「こい!こっちだ!!」



 「ひぃ・・・!さ・・・殺人・・・」



 「きゃああああああああああああああ!?」



 っく・・・。

 進みながらも着々と斬首を忘れないロズミア。



 ・・・もはや尊敬できるほどだよ、それは。



 それより、部下は・・・。

 ああ、誰かに助けられてるな・・・。



 よか・・・った・・・?



 「・・・ありがとう。今度・・・今度必ず・・・うっ・・・っくぅ・・・」



 泣いちゃだめだ。

 あいつは・・・あいつのことはこれがすべて終わってからだ・・・。



 それまでは・・・少し待っててくれ・・・。



 -ロズミアサイド-



 1541時。



 うふふ♪

 パパとドライブ・・・。

 久しぶりに二人っきりの・・・。



 うふふふふふふふ、うふふふふふふふふ・・・。




 「ねえ、パパ♪」



 運転しているパパが頼もしくて、それでとっても格好良くて・・・だから、腕に抱き着いた。

 すると、私の頭をやさしくなでてくれた。



 「えへへ・・・パパだーいすき♪」



 そして、一層強く抱きしめる。

 ・・・もう二度とはなさないからね?



 -ロズウェルトサイド-



 1600時。



 腕時計のアラームが鳴る。

 ・・・午後4時。

 あたりは日も暮れて真っ赤だ。

 先ほどまではこの赤は血の赤だった。

 だが、今は・・・綺麗な夕日の赤だ。



 「っくぅ・・・」



 いや、部下のことは思い出していけない。

 思い出すのは・・・これが終わったらだ。

 今までそう何度も言い聞かせてきただろ?

 ・・・もう少しで終わるんだからな。



 「ねえ、パパ・・・泣いてるの・・・?だいじょーぶ・・・?」



 そして、ロズミアはあれから何故かこの調子だった。

 ・・・完全に幼児退行している。

 それに・・・これだと何かおかしく思われるかもしれないが、背もかなり縮んでいる・・・。

 ・・・どういうことなんだ?

 いや・・・今はどうでもいいか・・・。



 とにかく、合わせてやれば、別段被害はない。

 むしろ、愛くるしいぐらいだ。

 ・・・先ほどのことがなければ、普通にかわいがってやったのにな・・・。



 「ああ、大丈夫だ。それより、夕日がきれいだぞ」



 「本当だー・・・。血みたいに真っ赤・・・まっかっか・・・うふふ・・・アハハハ!!!」



 「ロズミア!ほら、海も見えるぞ!!」



 「え?あ、本当だー。おさかなさんいるかなー?」



 そう、こいつは『血』や『人間』、『殺人』などという単語に反応して元に戻ろうとする。

 先ほどは、『なんで、こんなことをするのか』と聞いたら『こんなことってなーに?』って聞きかえしてきたから答えてやったらこんな風になった。

 幸い、止め方は注意をそらすだけでいい。



 いたって簡単だ。



 「ああ、クジラさんもいるかもな」



 「え!?クジラさんも!?どこどこー!」



 必死になって探すロズミアは見ていてとてもかわいらしいもの。

 ・・・だが、俺は心を鬼にしなくてはならない。



 「そこだとよく見えないんじゃないか?ロズミア」



 「うーん・・・本当だー・・・全然クジラさん見えなーい・・・」



 「んじゃあ、あそこのところに行っておいで。あの崖のところなら海に近いから見えるかもしれないぞ」



 「本当だー!んじゃあ、行ってく」



 「ちょっと待て、ロズミア」



 「んー?なーにー?」



 その無邪気な笑顔に・・・俺は殺意がわかなかった。

 俺がこれからすることには必要なんだ・・・。

 純粋な殺意が必要なのに・・・こんな純粋な笑顔を向けられると・・・。



 「くぅ・・・」



 「・・・パパ!?泣いてるの!?大丈夫ー・・・?わたしがよしよしするから泣き止んでー・・・?」



 「いや・・・大丈夫だよ・・・。ただ、夕日がまぶしかっただけさ」



 「そお?ならいいの!あ、それでパパなんのよー?」



 「ん?ああ、崖は危ないからパパがついて行ってあげようってことだよ」



 「あーほんとーだー・・・。落ちたら危なそうだねー・・・。パパ凄い!気付くなんてすごい!!」



 そう言って、上機嫌で手をつないで崖まで歩いていくロズミア。



 ・・・すまない。

 自業自得とはいえ、これは立派な殺人になりえる行為だ。



 だが・・・だが、こうしないと・・・終わらないんだ・・・。

 こいつの殺意は絶対に終わらない・・・。

 今はこうして押さえつけれているが、それもいつまでも持つわけではないだろう・・・。



 だから・・・覚悟を決めるしかない。



 「どうしたの?パパ・・・。お手てつなごーよー・・・」



 俺を涙目で見上げるロズミア。

 ・・・見ていて心がとても痛む。



 「さようならだ」



 「え?パパ・・・それってどういう・・・」



 そう言い終わる前に俺はロズミアを崖から突き飛ばした。

 せめて痛くないようにやさしく押してあげた。



 きっと悲しいだろう。

 でも・・・痛くしないでやったから・・・だから・・・これで許してほしい・・・。



 「パパー!!助け・・・て・・・!?」



 ごめんな・・・。

 でも・・・楽しかったぜ・・・。



 -ロズミアサイド-



 私は落ちている。

 今堕ちている。



 お父さんが突き飛ばしたの?

 それとも・・・私が勝手に自分で落ちちゃったの?



 ねえ、お父さん・・・。

 お父さんじゃないよね・・・?

 違うよね・・・。



 そんなことない・・・よ・・・ね・・・?



 「なーに・・・?これ・・・」



 痛い・・・。

 見ると、肩に鉄棒が刺さってた。

 海に捨てられたゴミが・・・私に牙をむいている。



 海が・・・私を殺そうとしている。



 もう一度・・・もう一度お父さんのところに行くのに・・・。



 「こんなところで死ねない・・・」



 鉄棒を体から無理矢理引き抜こうとするが、抜けない。

 流石に無理ね・・・。



 なら、今度は体のほうを引き抜こうとする。

 ・・・抜けた。



 んじゃあ、今度は海岸まで・・・行かないと・・・。



 う・・・体が・・・重い・・・。

 血を・・・流しすぎたのね・・・。



 ダメ・・・ね・・・。



 こんな・・・こんな・・・ことで・・・。



 「ロズミア!!!」



 と、お父さんが海に飛び込んでくる。



 「お父さん、ここは危ないんだよ・・・?」



 「怪我・・・してるじゃないか・・・。大丈夫だったか・・・?」



 「うん・・・へいき・・・」



 「そうか・・・じゃあ、戻ろうか・・・」



 「ねえ、お父さん」



 「なんだ・・・?」



 「私って・・・生きてちゃダメ・・・?」



 ・・・だって、こんな海にさえも嫌われて・・・。

 それに、私は知っている。

 私を突き飛ばしたのはお父さん。

 助けに来てくれたけど、でも突き飛ばした。



 でも、怨んでいない。



 だって、私が生きてちゃダメなほど・・・いいこじゃなかったから・・・。



 そう思うと、涙があふれてきた。



 「・・・そうだな」



 「んじゃあ、死んだほうがいいの・・・?」



 「・・・ああ」



 「・・・お父さんも一緒に来てくれる?」



 「・・・わかった。だけど・・・まだ早い・・・」



 「・・・うん。わかったよ・・・」



 やっぱり・・・私ダメな子だったんだ・・・。

 もっと・・・もっといい子になるね・・・。




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