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◎ご依頼#2 『なんでもない男の子とワケアリ彼女』

hello world様ありがとうございましたっ!

記念すべき第2号のお客様ですっ!


ざっくり設定だったのでやっつけ仕事で書きました。

『なんでもない男の子とワケアリ彼女』


 原案:hello world(id:338151)様


 詳細は、感想欄をご覧くださいませ。


――――本文開始――――




 アスナは戦っていた。この世界にがい魍魎もうりょうと。

 その出自、正体は不明。ただ、人を喰う。比喩的な意味ではなく、物理的に。


 巨大なネコ科肉食獣を思わせる体に、古代から蘇った爬虫類を思わせる頭部。

 この世のものではないこと、現代のいかなる科学的な技術をもってしても作りだせないことは明らかだった。


「エネルギー充填完了!

 闇へとおかえりなさい!!

 茜色の(マダレッド・)3拍子舞踏(ワルツ)!!!!」


 アスナが踊るようなステップで、怪物に打撃を加える。

 彼女の拳は仄かに輝き、そこに彼女の持つ退魔の力がすべて凝縮していた。

 その拳で、魔物を打ち付ける。何度も、何度も。

 スカートの裾をひるがえしながら。

 相手の攻撃を躱しながら。

 靴の底をすり減らしながら。


 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も……


 彼女に与えられた力では、一撃で敵を葬ることなどできはしなかった。

 だからただひたすらに、懸命に……。

 体力の、気力の続く限りに打ち据える。

 何度も。


 それが、彼女が人間に仇をなすとはいえ、命あるものの輝きを奪うことに課せられた宿命だと思っていた。




 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「おはよ~!!」


「ふあぁああぁぁあ~」


 明日菜から掛けられた声に、寝ぼけ眼の健太はあくびでかえした。

 明日菜と健太の通学路。

 このあたりで二人が顔を合わせるのは偶然とはいえ恒例となっている。

 それには、明日菜がわざわざ健太の登校しそうな時間帯を選んで家を出ているという裏の事情があった。


「もうっ! いっつもそうなんだから。

 どうせ、夜更かししてゲームでも読んでたんでしょ?」


「いや、昨日はアニメ」


 健太は目をこすりながら答えた。


「録り溜めしてたやつ?」


 明日菜が聞く。


「録り溜めなんてしないよ。深夜アニメでも出来る限り、リアルタイムで。

 それでなくても次の日には見るってのが俺のポリシーだから」


「じゃあ、何見てたのよ」


「魔法少女の日曜朝やってる奴」


「さっそくポリシーに反してるじゃない?

 今日が何曜日だと思ってるのよ」


「今やってるシリーズじゃないよ。

 前のシリーズをさ、懐かしんで見始めたら止まらなくなって」


「ほんとに。宿題はちゃんとやってきたんでしょうね?」


「えっ? 明日菜はやって来たんだろ?」


「見せたげないから!」


「そんなこと言わずにさ~」


「どうしよっかな~」




 取り留めのない会話を続ける二人であったが、明日菜の瞳に一抹の影が落ちた。


 彼女は出来るだけ平静を装って、


「あっ、ちょっと用事を思い出したからっ!

 健太は先に行ってて!!」


「先にって……。このまま歩いていっても時間ぎりぎりだぜ?」


「うん、走っていくから。

 もし間に合わなかったら先生には適当に言い訳しといて!」


「適当ったって……」


 走り去る明日菜を見送りながら、健太は、


(あいつ、ちょくちょく突然居なくなったり今みたいに急にどっか行ったりするよな……

 よくわからんやつだ)


 などと考える。

 健太には明日菜の背負う宿命、彼女の存在意義など知る由もない。


 仕方なく一人で学校に向おうと歩き出した健太がふと地面に目を落とすとケータイのストラップが落ちていた。

 その見慣れたキャラクターは、明日菜のものであると瞬時に悟る。


(拾って、あとで届けてやれば、この礼として宿題のノートを見せてもらえるな。

 でも……。

 あいつこのストラップ大事にしているって言ってたな。

 アニメ嫌いのあいつが珍しくもってる魔法少女のキャラクター)


 普段の彼なら、そのまま明日菜のことは気にせずに学校へ向かっただろう。

 だが、この時の彼はそうはしなかった。


(でも、宿題の提出って一時間目なんだよな。

 あいつが間に合わなかったら……)


 一時間目の担当教師は厳しいことで有名だ。

 宿題を忘れると運が良くても、反省文を書かされる。

 運が悪いとその時忘れた宿題のゆうに5倍は超える量の課題を強制されることもしばしば。


 課題の提出を与えられるくらいなら。

 こうして眠たい頭ででも、真面目に毎日出席している。一時間ぐらいサボったところで出席日数には問題なく、単位にも響かない。


 健太は振り返り、明日菜の走り去った方向を見やった。


(ちょっと、あいつが何処に行ったかも気になるし)


 健太は、来た道を引き返し始めた。


 そして、明日菜の通った道を辿り始める。


 その先には今ではほとんど誰も参拝しない古びた神社があるはずだった。

ざっくりだったので何もかもこちらで決めちゃいましたっ!


やっつけ仕事でごめんなさい。


ちょっと読ませていただきましたが全然カスじゃないですよ。


 ではっ エタリますっ! (約1900字)

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