◇自演乙!! 4
魔法陣グルグルとなんかの漫才番組見ていて思いついたネタ。
ツッコミだけで世渡りする勇者の話。
俺は、異世界に転生した。そして、チート能力を手に入れた。
そんなあれやこれやの経緯については、適当に有名な異世界転生ものの、導入部を参考にしてくれ。してください。
俺が得たチート。
その名も『ツッコミ気質』。
そして、その代償として大事なものを失った。
それは、俺が日々活用していた関西弁だ。
チート能力と引き換えにとして関西弁を発することは一切できなくなってしまったのだ。
ツッコミなんて関西弁でというか大阪のコテコテのノリであるから受けるのであって、標準語のツッコミなんて全部『○ま~ず』の『○村』になっちゃうよ!
というのが、俺の第一発目のツッコミだった。
するとどうだろう。この世界の住民はすべて、『さ○~ず』の『三○』になった。
男も女も、年齢も職業も身分も関係なくだ。犬や猫、公園の鳩なんかも同じ姿になったことまでは確認している。
これが所謂『ツッコミ気質』。
使いづらいのは、その時の俺の心の持ちようによって、世界がツッコミどおりになったりツッコミとは逆の方へと変化したりするという厄介な性質。
だが、それも慣れてくれば自在に使いこなせるようになるとは、転生時に聞いた神様からの有りがたい言葉。
恐るべし、ツッコミ気質。
とにかく、異世界中の生物を『さま〇ず』の『ミ〇ラ』に変えてしまうのだから。
まあ、それは、『全部俺じゃね~かよ!』という新たにかましたツッコミによって元に戻ったのだが……。
というわけで、俺は旅に出ることになった。
なぜなら、魔王を倒せる唯一の力とはチート勇者の持つ力なのだから。
そして、現在この世界にはチート勇者は一人しかいない。
『俺だけなのかよ!』
というツッコミによって一時は世界中のあらゆる生物がチート勇者になったのだが、結局は『全員チートかよ!』というツッコミによって元に戻ってしまった。
とにかく、今のところは勇者は俺一人だ。
そして勇者である俺にはパーティのメンバーが与えられた。
与えられたとはたいそうな身分だが、事実そうなのだから仕方あるまい。
ハローワーク城というお城に案内された俺は、ハローワーク12世という王様からメンバー紹介されたのだ。
3人紹介されたが、それはもうツッコまずにはいられないキャラ達だった。