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◎ご依頼#1 『異世界のキャンディマイスター』

誰も応募してくれないからほそぼそと『Re:パチンカスから始める異世界転生』を連載しようかと思っていた矢先に、なんとっ! ご依頼が来たじゃないですか!


卓様ありがとうございましたっ!

記念すべき(自演を除いた)第一号のお客様ですっ!

お返しは何にもできないですが、卓様の作品読ませていただきました。

『異世界のキャンディマイスター』


 原案:卓(id:148902)様


 詳細は、感想欄をご覧くださいませ。


――――本文開始――――


 今日は7月7日。いわゆるたなばたってやつだ。


 たなばたとたなぼたって似てるなぁと思ったり。


 でも、もうそんなことで一喜一憂している歳でもない。


 両親も昔は俺のために笹を用意してくれたけど、ここ数年はそんな儀式なんてあったっけ? という状態の我が家。


 街に出て、商店街なんかを歩いていると七夕気分は味わえるけど。


 と部屋でぼうっと考えてると、窓の外に光が見えた。


 なんだ? と思って眺めてみる。


 庭に竹が生えていた。しかも光っている。


 父親も母親も今日は帰りが遅くなるからって言ってたし帰ってきた気配もない。


 突然生えた……ってわけでもないだろう。


 誰かがいつの間に植えたのか? そして何故光っているのか。


 好奇心に駆られた俺は、とりあえず庭に出て竹を観察してみることにした。


「お代理さま! ようこそお気づきくださいました」


 どこかから、声がする。どうやら竹から聞こえているようだ。


 光っているのも電気仕掛けなら、どこかに音声プレイヤーとスピーカーでも仕込まれてるんだろうか?

 手の込んだいたづらだ。


「一体だれがこんな真似を……?」


 と思って観察して見ても、おかしなところなんてどこにもない。


「誰かと問われれば竹でございます。

 お代理さまにお願いがあってこうして語らせていただいております」


 再び竹が喋る。しかも俺の会話に返答している?

 ってことはこの近くに居る誰かが物陰から観察しつつ応答しているのか?


「で、何の用なの?」


 誰の冗談かは知らないが、話に乗ってみることにした。どうせ暇だし。


「実はわたしが居るのはこの世界ではなく、いわゆる異世界なのです。

 異世界からお代理さまを求めてこうしてお話させていただいてます」


「さっきからお代理さまって……。なにそれ?」


「実はわたしどもの世界、には雨を降らす神様がおられました。

 ですが元々雨の降りにくい世界で、雨神様は、それはもう毎日毎日あちこちに雨を降らし続けて……。

 そしてとうとう過労でお亡くなりになってしまったのです」


 竹の声には涙の成分が混じっている。


「そうなんだ」


 できるだけ神妙に相槌を打つ。


「そこで、雨神様の代理人となる素質を持った方をお探ししておりましたら、あなた様を見つけたのです。

 どうか、わたしどもの世界へ来て雨神様の代理を務めていただけませんでしょうか?」

 ああ……。と思いつく。テンプレ異世界転生、あるいはトリップってやつか。


 でも、竹に宿って直接誘いに来るってパターンは新しい。


 今度、このネタを書いて小説投稿サイト『小説家になろうぜよ』に投稿してみようかな。

 でもどっちかというと俺は文章は苦手だ。漢字にも弱いところがある。

 イラストの腕前はそこそこなんだけど。


 とにかく、俺は竹の冗談に付き合ってやることにした。


 必要なことを聞きだす。


「で? そっちの世界に行くのって転生? 召喚?」


「生まれ変わるので転生ということになるでしょうか」


「転生特典って貰えるの?」


「それはもちろん!

 特典は三つご用意させていただきました。

 ただし条件があります。

 ひとつは雨神様の代理となっていただくわけですから『”雨”を制する能力』にしていただく必要があります。

 あとの二つはご自由にお使いください」


「そっちの世界って、スキル制とかあるの?

 魔物ばっかりで冒険者が活躍してたり」


「魔物は居ないことはありませんが、それほど脅威ではありません。

 スキルというのは存じ上げていないです」


 なるほど。VRMMO系世界ではないわけか。

 なら、どちらかというと内政系の能力が有効かな。

 それか、単に旅をして異世界を愉しむっていうのも楽しいかも。


 まあ、現実にそれが実現可能なわけはないけれど。


「その特典って今ここで言えばいいわけ?」


「いえ、少し右上のほうを見ていただけますか?

 短冊がみっつぶら下がっていると思います」


「ああ、あったあった」


「それに、欲しい能力をお書きください」


「ほんとに七夕みただね」


「三つ目の願いを書いた時点で、お代理さまは、異世界へと転生されることになります」

「わかった。ペンを持ってくるからちょっと待ってて」


 俺は家に筆記具を取りに帰った。




「で、ひとつめの願いはなんだっけ?」


「『雨を制する能力』でお願いします。それは絶対に必要な条件です」


「わかった、雨を制する能力……っと」


 と短冊に書こうとして筆がとまってしまった。

 度忘れ。あめの漢字が思い出せない。まあいいや。ひらがなで書いといたら。

 と、これが、後々に大きな影響を及ぼすなんてこの時はちっとも思っていなかった。

 それどころか実際に異世界に転生してしまうなんてことも考えていなかった。


「じゃあ、後の二つは自由に決めていいんだね」


「はい、それはお代理さまのご自由に」


 少し悩んだが、やっぱり異世界を満喫するためには旅がしたい。

 それを竹に聞いてみる。


「その異世界ってみんな自由に旅とかしてるの?」


「身分や職業によっては。

 ですが、封建社会ですので身分によっては旅などが許されない方もおられます」


「なら、自由に旅ができるっていうのも願い事として通用する?」


「はい、大丈夫です。

 『自由に旅行できる職』などをお求めいただければ」


 ふーん、そうか。じゃあそのまま書こう。

 こっちはそれなりに難しい漢字もあったがすらすら書けた。

 あとひとつ。


 どうやら、竹の言う異世界は文明的には地球より数段遅れているようだ。

 それで、旅をするんだったらゲームであるようなアイテムボックスがあったほうが荷物がまとめられて便利かもしれない。


 そう思って三つ目の短冊には『アイテムボックス』と記載した。


「ありがとうございます。

 これにて契約完了です。

 では後程、こちらの世界でお会いしましょう」


 竹がそう言うと、光っていた部分の光が弱くなっていった。


 どうやら悪ふざけはここまでのようだ。結局何がしたかったのかよくわからないけど良い暇つぶしになったな……。


 とかなんとか思っていると、空に四つの流れ星が。


 四つも同時に流れ星が見れるなんてついてるな。


 とか思っていると、その流れ星は俺に向って飛んでくる。


 隕石? まさか? 地面に墜落する?


 と考えた瞬間。


 俺は意識を失っていた。


 気が付いた時には、異世界に転生してしまっていた。


 ――――本文了――――



 

当然プロローグなので飴のことや、宰相とか紙芝居とかには触れられませんでしたしどのような職に就くのかも未定。

でも、伏線は張れたと思ってますが、どうでしょう?


 ではっ エタリますっ! (約2500字)

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