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2/16

◇自演乙!!

どうにもこうにも企画がすすまないので自演します。


ついたという”てい”の感想。


――ここから――

わたしは、ももクロちゃんの中で仮想ディストピアという曲が大好きなんですっ!

あの曲の世界観を踏襲したVRMMOモノが書きたいと思ってるんですけど、試しに書いていただけませんか?

――ここまで――


本来であれば前書きに来るであろう内容

――ここから――

了解しました~。奇遇ですがわたしもあの曲大好きなんです。

自分なりに書いてみました!

――ここまで――

 俺は粗末なドアを開けて店に入った。


「NPCかい?」


 店主がいつも通りの挨拶を投げかける。


「んなわけねーだろ。PCだよ」


 俺の返事もとおり一辺倒。

 意味はわからないが、儀式みたいなもんだ。


「あんたこそ、NPCじゃないのか?」


「ああ、そうだよ」


 そして二人で笑う。何度となく繰り返されてきた光景。


「いつものでいいかい?」


「それ以外になにかあるのか?」


「すまんね。今日はたまたま切らしている」


 そしてまた笑う。


 目の前に、白い皿に乗ったパンとグラスに注がれた水が差しだされる。

 空腹感というよりも、義務感からそれを喉の奥に詰め込む。

 餓えが癒される。ただそれだけの作業。


 店主は黙ってグラスを拭いている。

 そもそもここはバーという分類になっているらしいが、酒はおろかつまみもない。

 出て来るのは固くて味気ないパンと味のしない水だけ。


 俺以外の客が来ているのも見たことがない。

 この店は俺のためだけにあるといっても過言ではない。

 そして、店主も俺だけのために存在している。

 いつ来ても同じ場所。同じ格好。歳も取らない。病気もしない。

『システム』っていう奴だ。もっとも『システム』というのがなんなのか理解できているわけではないが。


 店の外で低いうなりのような音が聞こえた。


「なんか聞こえないか?」


 俺の問いに店主は、


「風でしょう」


 とそっけなく答えた。


 だが、風だとしても徐々に強まっているのかその唸りはどんどんと大きくなる。

 噂に聞く竜巻ってやつか?

 もしそうだとしたら、俺の家は大丈夫か? いやこの店だって。

 

 不安に思っていると、音がぴたりと止んだ。


 ギギーとドアが開く音がする。

 店主と俺だけの空間に初めて割り込んだ闖入者。


 若い女だった。少女と言ってもいいくらいの歳だろう。10代半ば。

 ショートカットはシアンブルー。

 真っ黒いボディスーツは体にフィットしている。

 濃紺の瞳。肌だけが異様に白い。


 彼女は、店を見回すと俺に尋ねた。


「あなた、NPC?」


「いや、違う」


 問いの意味も解らぬまま、質問の意図もわからぬまま吟味ではなく習慣で反射的に答えていた。


 そこからの展開はスローモーションのように今でも目に浮かぶ。

 それまでは、どこか冷めた表情だった少女の顔がぱっと明るくなり……。

 少女が俺の胸に飛び込んできた。文字通り。

 駆け寄って押し倒された。

 椅子が倒れ、俺はなんとかカウンターに支えられて転倒を免れたものの。

 今から何が起こるのか。

 今までの生活がなんだったのか。それを少しずつ知っていくことになる。

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