1/4
気づいたのだと思う。
一人になった。
自立し、私の世界が広がり、拓けた視界は無限だと感じた。
一人になった。
見渡せば、どうだ。
見えていたはずの景色は見えやしない。
聞こえていたはずの友の声は遠く擦れ、
描いていたはずの未来は塵ひとつもありはしない。
どうか自分には届いてほしい、
私の記憶も、感覚でさえ確かではないけれど
ただ、忘れたくはないから。
一人になった。
だけど、見渡せば一人ではなかった。
気づくのが遅いんだよ、私は。
苦しいのは変わらない、切なさがこみ上げる。
でも、たぶん、結論。
みんなおんなじだよね?
ただ、忘れちゃいけないんだ。
だから、少しだけがんばって記憶を繋げてみる。
でも、前を向かなきゃはじまらない。
それがなかなか難しいけど、
私のあかしだから、どうやってでも捉えて生きたい。
私がわたしであるために。