第70話 女の子たちと夏休み? お化け屋敷 詩織√
いつのまにか70話になってました……
8月15日~8月20日一体何話やってるのでしょうか……?
え?このままいくと夏に冬の話やってることにならないかって?
安心してください!!冬はあまりネタがありませんので短いです!!
しかも春(小説の中の)からやりたい話だってあるし……
でも修学旅行の話があるし…
あー!!もう!!ネタがあるっていいなあ!!
「次は私だよ!!」
詩織が俺に飛びつきながら言ってくる。
「はいはい……」
もう3回も入ってる俺は正直疲れていた。
「最後が会長か……」
「上園君?どうかした?」
「いえ……会長は俺と一緒に入らなくてもいいんじゃないかなーなんて思ってませんよ?」
「そこは空気を読んでちゃんと私とも入らなくちゃだめだよ?」
「わかってます」
それよりも詩織とお化け屋敷か……
泣いたりしないか心配だな……
まあ中3だし大丈夫かな?
ってかそろそろ勉強させなきゃな……
「お兄ちゃん?どうしたの?」
「あー……なんでもない」
「?」
「じゃあ行くか」
「うん!」
詩織が俺の手に自分の手を絡ませてくる。
「なんか恥ずかしい……」
「恥ずかしがってたら負けだよ!」
「いや、そう言われても……」
「なにイチャイチャしてるんですか!!とっとと行ってください!!」
結衣にそう言われてしまったので俺たちはお化け屋敷に入る。
昔、1つの村があった。
山にかこまれた村であまり外とは関りをもっていなかった。
とくになにごともなくすごしていく村人。
ある時悲劇は起こる。
村人全員がいきなり死んでいた。
それからその村に調査が入る。
しかし調査1日目から調査チームとの連絡は途絶えた。
それからその村に入った人は絶対に帰ってこなかった。
「……という設定らしい」
「なんかどこにでもありそうな設定だね」
「まあそうだな……」
「それよりも……うぅ~暗いよ……」
「転ばないように気をつけろよ?」
「そんなドジじゃないよ!!」
「初めて会ったときはしっかりしてそうだったけどなんか今はなぁ……」
「む……お兄ちゃん失礼すぎる」
そう言って詩織は俺の頬を引っ張る。
「いひゃいって!!悪かった!!」
「反省した?」
「はい!!それはもう!!」
「じゃあ許してあげる」
詩織は俺の頬から手を離す。
俺たちはお化け屋敷の中を進む。
すると鉈を持ったゾンビがいきなりでてきた。
「あ……ああ……」
「詩織?」
詩織がそこから動かない。
「やめて……やめて……」
「詩織!?」
詩織の様子がおかしい。
俺は詩織の肩をつかんでゆする。
「だめ……逃げなくちゃ……」
詩織の目から涙がでてくる。
「詩織!!」
「っ!」
詩織は驚いたように俺を見る。
「お兄ちゃん……?」
「大丈夫か!?」
「え?」
覚えてないのか?
「変なお兄ちゃん!早く行こっ」
詩織は俺の手を引く。
さっきの詩織の様子はあきらかに変だった。
しかも本人はそれをまったく覚えていない?
一体どうなってるんだ……?
そうやって考えながら歩いているうちに一軒の民家にたどり着く。
「うわ~……なんかいかにも怪しい雰囲気だしてるなぁ……」
詩織が民家を見ながら言う。
「ね?これどう思う?」
「どうって言われても……とりあえず入らないと」
「そうだね」
俺は詩織に手を引かれながら民家に入っていく。
中には血まみれの死体があった。
それを見た瞬間詩織の足が止まる。
「詩織?」
「あ……ああ……いやああああああああああああああ!!」
「詩織!?」
また詩織の様子がおかしくなっていた。
「どうしたんだよ詩織!!」
「お父さん……お母さん……」
「詩織……?」
「よくも……よくもぉおおおお!!」
詩織が俺の首を絞めてくる。
「うぐっ……詩織……?」
「お父さんとお母さんを返せ!!返せええええええ!!」
これは本当に詩織か?と思わせるほどの殺気だった。
「詩織!!離してくれ!!」
俺は必死に叫ぶ。
「っ……あれ?お兄ちゃん?」
詩織が手にこめてた力を緩める。
「ごほっ!!はぁ……はぁ……」
「お兄ちゃん!?大丈夫!?」
「し……詩織こそ……大丈夫……か……?」
「なんで私の心配なんてしてるの!?なんで私あんなこと……」
詩織が心配そうな顔をする。
「俺は大丈夫だから……」
俺は詩織の頭を撫でる。
「本当に……?」
「ああ。俺が嘘ついてるように見えるか?」
「うん」
「信用ないな……」
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だから。早く出よう」
俺は詩織を心配させないように笑顔をつくる。
「うん……」
詩織はその後変な様子にはならなかった。
だけどあれは一体なんだったのだろう……
詩織の過去となにか関係してるのか……?