第54話 女の子たちと夏休み? 8月15日~8月20日
「あち~」
「言うなよ彰……」
俺たちは何もない道をただひたすら歩いていた。
どのくらい歩いたのだろう?
会長の別荘はもうすぐそこなのだろうか?
そんなことばかり考えてしまう。
「本当になにもないな……」
「とりあえず海に出れば……」
セミの鳴き声がすごくうざい。
「こっちであってるのかな?」
彰がそんなことを言い出す。
「今から戻るのなんて嫌だぞ?」
「「はぁ……」」
俺たちは同時にため息をつき肩を落とす。
「公衆電話もないもんな……」
携帯電話は充電が切れていてアウト。
民家もないから電話も借りられない。
俺たちはかなりまずい状況にあった。
「のどかだな……」
「亮いきなりどうした……」
のどかすぎてなにもいえない……
はぁ……魔法が使えたら……
『魔法が使いたいかね?』
「あ……あんたは……?」
『通りすがりの魔道士じゃよ』
「お……俺にも魔法が使えるのか……?」
『もちろん。このデバイスがあれば誰でもできる。さあリリカルマジカルじゃよ』
「え?な●は?」
『失われた文明でも探す気かい?』
「まあいっか……リリカルマジカル」
……できたのか?
「ってなんで女の格好なんだよ!」
『ほほぅ……これは……なかなか……』
「鼻血だしてんじゃねえ!」
『さあ飛ぶんじゃ!』
「そのエロい目つきどうにかならないかな……」
『どうにもならん。だってその女の格好わしの趣味だもん』
「ディバイン……バスター!!!!!」
「亮!亮!」
目を開けるとそこには彰の姿が……
「お前大丈夫か?いきなり倒れて」
「嫌な夢見た……」
「もうすこし休むか?」
「いや、いい。ありがとな」
「おう」
俺たちはひたすら歩いた。
陽が消えかかったころやっと俺たちは民家を見つけた。
この時俺たちはよろこんでいたが、まさかその民家にあの人がいるとは俺は思っていなかった……




