第50話 女の子たちと夏休み? 8月10日
シロナが倒せない…
「なんでこの子が泊まるのよ……」
円が不機嫌そうに言う。
「俺に聞かれても……」
「よろしくおねがいします!」
一方ゆきは元気よく頭を下げる。
「う……うん。あんたがそこまで言うなら……」
円頼まれて悪い気しないんだろうな~
「ゆき。なんで今日1人で来てたんだ?」
「急にお父さんとお母さんが来れないって言うから」
「でも泊まっていって大丈夫なのか?」
「連絡してないからわからない」
「それじゃ心配するだろうから連絡しなさい」
「は~い……」
ゆきは電話をするためリビングから出て行く。
「なんか怪しいフラグがたってるですぅ」
「もしかしてこの家に……」
「詩織。そんなこと考えちゃだめよ」
「真美お姉ちゃんがそう言うなら……」
「で?会長はいつまでいるんですか?」
「私も今日泊まっちゃおうかな~♪」
「冗談はやめてください」
「冗談じゃないもん……」
「え?」
「冗談じゃないもん!わたしだけ仲間はずれなんて悲しいもん!」
会長がなぜか涙目。
「あー……わかりました。会長も泊まるならちゃんと家の人に連絡してくださいね」
「やった♪」
この笑顔……
さては嘘泣きだったな……?
「亮君~。お父さんが電話代われって」
「え~」
俺は渋々ゆきから電話を受け取る。
『久しぶり~!』
「相変わらずテンション高いですね……」
さすが親父の弟……
『そうか?まあそれは置いといて……本当に泊まってもいいのかい?』
「叔父さんが泊まるんじゃないですけどね」
『そのくらいわかってるわい!』
「はいはい」
『じゃあゆきをよろしく』
「うい。じゃあまたゆきに代わりますね」
俺はゆきに電話を渡す。
リビングに戻ると会長はすでに電話を終えていた。
「会長は泊まれるんですか?」
「もちろん!」
「それはよかったですね」
「うん!」
なんか会長が無邪気。
可愛いな……
「なんて思ったり」
「しません」
「ショック受けちゃうよ?」
「会長は可愛いってよりも美人のほうが似合いますよ」
「ほんと?」
「はい」
「やった♪」
いや~
優里たちと暮らしてなんか女心でも理解したかね~
あんな恥ずかしいセリフ前なら絶対に言えなかったな。
「亮君」
「ん?」
電話を終えたゆきがリビングに戻ってくる。
「今まで触れなかったんだけどこの人たちだれ?」
ゆきは優里たちを指差す。
「「「……」」」
「私は上園君の学校の生徒会長ね!」
会長が真っ先に手をあげた。
「じゃあこっちの人たちは?」
「実は私たちは亮さんに拾われた猫なのですぅ」
「え!?」
「耳だって出せるですよ?あっちを見てください」
そう言って結衣は円を指差す。
そこには前に秋葉原で買った猫耳を装着している円が……
「ほ……本当だ!」
信じちゃだめだよ……!
「わかっていただけましたか?」
「うん!」
「はい。ご飯できたわよ」
優里が料理を持ってくる。
あれ?優里もしかして今のが今回の話で初めてのセリフじゃないか?
まあそれからはとくになにもなくお泊りは終了した。
なにかあったとすれば俺はリビングで1人で寝てたのに朝起きたら全員そこにいたってことくらいだな……




