第48話 女の子たちと夏休み? 8月10日
亮君ってセリフなのに悟君って打ってしまう自分がいる……
続けたほうがよかったかな……
「一体君は誰なんだ?」
「わ……私のこと忘れたの?あの時あんなに愛してくれてたのに……」
「え……?もしかして君は……出会い系で会った……」
「彰、一旦落ち着いてみようか」
彰め……小説で誰が言ってるかわからないからってこんなことやりやがって……
ほら、知らない女の子も一線引いてるよ……
「さて、誰だっけ?」
「忘れちゃったの……?」
女の子が涙目で見てくる。
う~ん……
けい●ん!にでてくる澪に似てるってことくらいしかわからないぞ?
「ごめんなさい。忘れました」
「最悪だな」
「彰に言われたくないんだけど」
「杏奈!亮がいじめる!」
「はいはい」
話が進まない……
「結婚……」
「え?」
「結婚の約束までして忘れるなんて酷いよ!!」
「結婚?」
けっこん?KEKKONN?結婚?
「亮って許婚いたんだ」
「私たちと一緒」
「ちょ!待った!!」
約束した覚えなんてな……くもない気がしてきた……
あれはまだ親父たちがいたころ……
「え?回想するの?」
「彰だってするだろ?」
「俺のは短いし……」
「俺だってすぐに終わるさ」
俺は小学6年生の頃におばあちゃんの家に行ったんだ。
そこにいたのはばあちゃんと4年生の女の子。
じいちゃん?
じいちゃんには会ったことないからわからないな。
ばあちゃんはいつも「眠ったように死んでるよ」って言ってたけどよく考えると死んでるんだよな……
まあそんな話は置いといて……
その子は従兄妹の上園ゆき。
たまに会うくらいの縁だったけどその日初めて遊んだんだ。
まあ楽しかったな……多分。
正直覚えてない。
そして帰るときにいきなり。
「大きくなったら結婚して!」
って言われた。
「え~」
そこで嫌そうにする俺ってまったく相手の気持ち考えてなかったよな……とか思ってしまう。
「結婚して!結婚して!」
俺に抱きついてなんども言ってきた。
「わ……わかった……わかったからおりて……うぇ……」
ちょうど首が絞まる形で抱きつかれながら言われたらそう答えるしかないでしょ?
「回想終わり」
「私、今日からここに住む!」
「え……」
「だって亮君寂しいでしょ?」
「いや……それは……」
俺は彰たちに目で救援を頼む。
そうしたら杏奈はなにを思ったのかいきなり電話を始めた。
「あ!優里?亮が浮気してるよ」
あ……俺死んだわ。