第45話 女の子たちと夏休み? 7月28日~8月3日
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本当にすいません
「来週は優里の誕生日だよ?」
「そうなのか?ならお祝いしないとな」
「普通にやってもつまらないですよね」
「優里お姉ちゃんには喜んでもらいたいし……」
「そういえば漫画で『誕生日当日までできるだけ関らない』的なのがあったな」
「じゃあそれにしますか」
「優里お姉ちゃんかわいそう……」
「まあ優里に喜んでもらうためだから」
そして俺たちは優里に喜んでもらうためにできるだけ関らないようにした。
「亮。買い物行くから一緒に行かない?」
「すまん。俺パス」
「じゃあ円」
「ごめん」
「結衣」
「ごめんですぅ」
「詩織」
「行……ごめんねお姉ちゃん」
「なんか変ね……」
「ほら早く行ってきたらどうだ?」
「まあそうするわ……」
そう言って優里は家を出て行った。
「優里がいないうちに会場準備するぞ」
俺たちは和室で徹底的に飾りつけした。
そして優里が帰ってきたら平然とする。
その繰り返しだった。
~優里視点~
なんか変なのよね……
今週に入ってから亮たちの様子がおかしい……
詩織を買い物に誘ったら絶対についてくるのにまったくついてこないし……
反抗期?
……はないか
うーん……
そういえばもうすぐ誕生日ね……
でもみんな知らないだろうな……
まあお父さんが再婚してからお祝いなんてなかったし別にいっか。
~誕生日当日~
「そろそろ優里が買い物から帰ってくるころだな」
「でもどうやって和室に誘い込むの?」
「ふっふっふ……私に任せてください」
「さすが結衣!」
「ただい……きゃっ!?」
優里が家に入ってきたと思ったらなぜか下に落ちた。
「落とし穴成功!」
「なにやってるんだよ!?」
「まあまあ。私たちも用意しましょう」
俺たちは結衣に言われるままクラッカーの準備をした。
「きゃーーーーーー!!」
ん?なぜか押入れから声が……
そう思った瞬間押入れから優里が出てきた。
俺たちは焦ってクラッカーを鳴らす。
「「「誕生日おめでとー」」」
「へ?」
優里は困惑していた。
「な……なによこれ?」
「誕生日おめでとう優里」
「おめでとー」
「おめでとうですぅ」
「おめでとう!」
「……」
優里が俯いたまま動かない……
「あれ?優里さん怒ってる?」
「怒って……なんか……ないわよ……嬉しくて……」
優里の目からは涙が出ていた。
「はい!お姉ちゃんプレゼント!」
詩織が優里にプレゼントを渡す。
……ん?プレゼント?
贈り物?
円と結衣もそれぞれ優里にプレゼントを渡す。
プレゼント?なにそれおいしいの?
「さ!お兄ちゃんもおねえちゃんにプレゼント渡さないと!」
「……」
俺涙目。
「亮?」
優里も涙目。
でも優里の涙目は嬉しくて。
俺の涙目は悲しくて。
そういえばとある漫画でこんなことを言ってたな……
『土下座しかないだろう。日本人なら土下座イギリス人はギロチンでロシア人はロシアンルーレットだ』
「すいません。忘れてました」
俺は土下座した。
ああ……おでこがすれて痛い……
「あれ?私てっきりお兄ちゃんがお姉ちゃんにチューするのかと思ったのに」
へ?
「そ……そうなの亮?」
「あ……ああ!そうだよ!俺からのプレゼントはキスだ!!」
なにこのナルシスト……
俺ってこんなキャラだったっけ?
作者キャラ忘れてんじゃねえの?
「や……優しくしてよね!」
あ、許されるんだ。
俺は優里にキスをした。
「私の誕生日が楽しみだな~」
「私は亮さんになにしてもらいましょう」
「私がお兄ちゃんとチュー……」
なんか大変なことになったようです。