第40話 女の子の辛い過去? ~優里編~
『優里』のことちゃんと『ゆり』って読んでもらえてるかな……
「あいつどうしたんだ?」
「きっと……」
円が優里の出て行った扉を見ながら言う。
「円何か知ってるのか?」
「知ってるといえば知ってるけど……私からはちょっと言えないかな……」
「?」
「まあ亮君がちゃんと優里に信用されて話されるのを待つしかないよ」
俺ってまだ優里に信用されてなかったのか……
「いま信用されてなかったのか……って思ったでしょ?」
「なぜ……わかった……」
「亮君そんな顔してるもん」
「そうか?」
「うん。優里は亮君を信用してるけど嫌われないか心配なんだよ」
「俺が優里を嫌う?」
「嫌うことはないってわかってるけどやっぱり怖いんだよ」
「怖い?」
「ま~ど~か~?」
円の後ろからいきなり結衣が現れる。
「ひっ……」
「それ以上言うと大変なことになりますよ?」
「ご……ごめんなさい」
「亮さんは先に帰っててください。優里はきっと部屋にいると思いますから」
「お……おう」
俺は先に家に帰ることにした。
「円?あれは優里が自分で乗り越えなきゃいけないことなんです」
「わかってるよ……私だっていつか亮君に話さなきゃいけない……」
「そうです。それは自分たちで話す。亮さんのお父さんに言われたことです」
「亮君なら大丈夫だよね……?」
「もちろんですぅ。だって私たちが好きになった人ですもん」
「うん!」
俺が家に帰ると結衣の言っていた通り優里は帰っていた。
「……」
俺は優里の部屋の前に立つ。
コンコン……
俺はそっと部屋の扉をノックする。
「優里?俺だけど……」
「……入っていいよ……」
俺はゆっくりと扉を開けて部屋に入る。
「優里?」
優里に近づくと優里は震えていた。
俺はそっと優里を抱きしめた。
それで優里の震えが止まると思ったから。
「……!!」
抱きしめると優里はビクッと身体を跳ね上がらせる。
「やめて!!」
俺は優里に突き飛ばされる。
「今度こそ……今度こそ1番になるから……だから……お仕置きは……」
「優里……?」
お仕置きってなんだよ……
そういえば親父の映ってたDVDで辛い過去がどうのこうの……
それがこれに関係してるのか?
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
「優里!!」
もうこんな優里を見てられなかった。
俺は優里の顔をつかんで俺の目を見させる。
「優里!!俺だ!!わかるか!?」
優里は無言で俺を見つめてから安心したのか俺にもたれかかってきた。
それから数分が経った。
優里が俺から離れる。
「落ち着いたか?」
「うん……ねえ……聞いてくれる?私の過去」