第39話 女の子の辛い過去? ~優里編~
結局過去編にしてしまった……
私はいつも1番じゃなくちゃいけなかった。
「亮ー!!もうすぐ期末テストだよー!!」
彰が俺に泣きついてくる。
「お前勉強してないもんな~」
当然毎日コツコツと勉強している俺は余裕だ。
今度こそ優里に勝ってみせる!
そんなことを心に決心していた俺。
「亮……今回も勉強を……」
「杏奈に教われよ。付き合ってるんだろ?」
「杏奈に勉強なんか教わったら保健の勉強になるだろ!?」
彰も苦労してるんだな……
「俺は今回こそ学年で1位になるから無理だ」
「亮のケチ」
「ケチだと?お前がちゃんと勉強してれば俺は教えなくてもよかったんだぞ?」
「ごめんなさい」
「上園君」
「会長……」
会長が教室に入ってくる。
それだけで男子の目を引く。
「今回こそ実技を……」
「1人でがんばってください」
「ひ……1人で!?う……上園君はそういうプレイが……」
「ちょっと!!変な誤解受けるでしょ!!そこの女子も『上園君はそういうタイプ?』とか言うな!!」
会長が来るだけでこんなにも大声だすことになるなんて……
「とにかく俺は今度こそ学年で1位になるので!それじゃ」
俺は足早に教室を出ようとする。
ガッ
「へ?」
不意に俺の腕がつかまれる。
「亮?私たちのこと忘れてない?」
「セリフがなかったから忘れられてもしかたないけど……」
「自分はセリフ多いからって酷いです」
「ほ……ほら……なんていうか……俺がセリフ多いのは主人公というスペックが……」
「「「私たちは正ヒロインだよ(です)!!」」」
「……」
ダッ!
俺はすぐに下駄箱に向けてダッシュする。
「「「あっ!」」」
俺は走った。
一生懸命走った。
「俺……男の子なのに……」
優里に追いつかれた……
「私は運動神経だっていいんだから」
「うぅ……まあとにかく早く家に帰らないか?」
「そうね」
俺たちは家に帰る。
「うぅ……テストが……テストがぁ……」
「円?『テスト』ってひらがなで書くとなんか和みますよ」
結衣はそう言って『てすと』と紙に書く。
「本当だ……和むね……このままテストなんかなくなればいいのに」
「本当ですね」
円と結衣が遠くを見つめる。
「お前ら現実逃避してんじゃねえよ……」
「「だってぇ……」」
「優里、今回は負けないからな」
「ふん!やってみなさいよ!」
そして時は過ぎテスト返却日……
「学校行きたくない……」
「円、そんな贅沢言っちゃいけません……」
「結衣だって行きたそうに見えないよ?」
「それは言わないで下さい……」
「ほらお前ら行くぞ?」
俺たちは学校に向かう。
テストは一気に返ってくる。
しかも帰りのHRに……
ってことはテストの点数が悪い人にとってはこの1日は最悪な日である。
え?なんでいまさらこんなこと言うかだって?
それは作者が今考えたからだよ?
まあそれは置いておいて帰りのHR。
「上がったああああああああ!!」
きたよ!
きましたよ!
平均98!!
これはもらったな!!
「あれ?彰が……」
彰は机に突っ伏して周りから黒いオーラをだしている。
あの様子だとダメだったのだろう。
「あれ?結衣も……」
この流れだと円も……
「円は嬉しそうだな」
「だって意外にいい点数だったんだもん♪」
「さて……優里!平均は何点だ!!」
「97よ。落ちちゃったわ」
「勝ったああああああああああ!!」
「え!?嘘!?」
優里は俺のテストを覗く。
「まさか……私が……1番じゃ……ない……?」
「ふははははは……は……は……?」
俺が笑っていると優里は教室を走って出て行ってしまった。
まるでなにかから逃げるように……