第27話 女の子たちと会長と? ~有名ブランド~
「ここも有名ブランド……」
会長に連れて行かれたのは有名ブランドのお店ばかり……
そして男が決していてはいけない場所……
いるのはカップルの男くらいだ。
「さっ!上園君ここからにしましょ!」
「え?俺は外で待っててもいいんじゃないんですか?」
「なに言ってるのよ?もしも入ってくれないならタダにしないわよ?」
そう言った瞬間優里たちが涙目で俺を見てくる。
「わかりましたよ……」
「素直でいいわね!」
俺は渋々店の中に入る。
『なにこの人?』みたいな目で客だけでなく店員にまで見られる。
「優里ちゃんかわいい下着着けてるのね~」
「えっ!?ちょっと真美先輩!?」
「結衣ちゃんすご~い!なに食べたらそうなるの?」
「ちょっ!触らないでください……!あっ……!」
「円ちゃんはそのままでいいと思うよ?」
「気にしてるのに……」
「貧乳はステータスだ。希少価値だ。って誰かが言ってたよ?」
「そうですかね?」
「でもね、私個人の感想としては貧乳で開き直ったら負けだと思うのよ」
「?」
「貧乳を恥ずかしがってこそ貧乳に価値があると思うの」
「真美先輩!」
「円ちゃんがんばってね」
「はい!」
中で一体なにが起こってるんだろう……
変な想像してしまう……
ってかなんでみんなで試着室入ってるんだ?
狭くないのか?
店員さん苦笑いだよ……
「どう?」
試着して俺に見せてくる。
「似合いますよ」
「ほんと!?」
「はい」
「じゃあこれ買う」
それから何度も俺は『似合う』や『かわいい』という言葉を言った。
それが自分の首を絞めることになるなど考えもせず。
「じゃあ上園君が似合うって言ったもの全部買おっか」
「え?」
会長は店長になにか言って試着した全ての服を袋にいれさせる。
これは『買う』というよりも『もらう』だ。
店長さんのことよく見てあげて会長……
涙目だよ……
そしてその荷物を全部俺が持つことになる。
あんなに似合うなんて言わなきゃよかった……