第21話 男の子の頼みごと?
「亮!!」
放課後。
俺が帰る準備をしているといきなり彰に声をかけられる。
「なんだ?」
「またテストの季節がやってきてしまった!!」
「お前は作者並に頭悪いもんな」
(ちなみに作者は校内順位下から数えたほうが早いです。)
「勉強教えてください」
彰が頭を下げてくる。
そして隣にはもう1人頭を下げてる人が……
「会長なにやってるんですか……」
「またこの時期がきちゃったから勉強教えてもらわなきゃな~って」
会長が笑顔で言う。
「俺が教えましょうか!?」
「いや!!会長には俺が!!」
「上園ばっかずるいんだよ!!」
男子達が騒ぎ出す。
「みんなの気持ちは嬉しいんだけど……みんな上園君よりも勉強できないでしょ?」
ちなみに俺の校内順位は1位な。
「「「うっ!!」」」
男子達はいっせいに固まる。
「人生のバカヤロー!!」
「上園なんかが頭いいのが悪いんだ!!」
そんなことを言いながら男子達は走ってどこかに行ってしまう。
「会長も頭いいくせになに言ってるんですか……」
会長だって決して頭が悪いわけではない。
1度教えれば絶対に忘れないからテストなんて簡単なはずなのに……
「あれ?私にだってわからないことはあるよ?」
「例えば?」
「保健の実技」
「「…………」」
俺と彰は固まる。
「彰、勉強はうちでいいか?」
「ああ」
「じゃあ帰ろう」
「優里ちゃん達はいいのか?」
「そういえばあいつらどこ行ったんだろうな……?」
「無視するなー!!」
会長が叫ぶ。
「ふっふっふ……無視するならそれでいいわ。その代わりこの子たちがどうなってもいいの?」
会長は黒服のお兄さん達を呼んで優里たちをそのお兄さんに連れてきてもらう。
「上園君。君の情報はすでに調べさせてもらってるわ!!」
会長がそんなことを言い出す。
「亮。助けなかったらどうなるかわかってるわよね?」
「亮君は助けてくれるって信じてるからっ!」
「亮さん……できれば早くしてもらいたいです……こうやって束縛されてると……」
結衣がまずいな……
いや、俺の命もまずい……
「わかりました。会長のこと無視したりしませんよ」
「やった」
会長は嬉しそうに笑う。
優里たちが開放される。
「亮、浮気?」
「亮君覚悟はできてるよね?」
「もうすこしあのままでもよかった……」
あれ?
選択肢をちゃんと選んだはずなのに……
そっか……あれはどっちを選んでも死亡エンドだったんだ……
「ぎゃあああああああ!!」
俺の悲鳴が放課後の学校に響いた。