第108話 女の子と入学試験?
俺…高校生クイズが終わったら結婚するんだ…
てことで今日?明日?
お台場に思い出づくりにいってきます
「ハンカチ持った?生徒手帳は?忘れ物ない?」
「だいじょうぶだよ優里お姉ちゃん」
今日は詩織の受験日だったりする。
なので俺たちは休み。
見送りは優里と俺だけ。
あと二人は寝ている。
「頑張ってこいよ」
「うん!」
「本当に忘れ物ない?」
母親みたいな優里だった。
「大丈夫だって。行ってくるね」
「「いってらっしゃい」」
詩織を見送って俺たちはリビングに戻る。
「ねえ亮」
「ん?」
「これって詩織のカバンじゃない?」
「……」
俺猛ダッシュ。
「詩織!」
「どうしたのお兄ちゃん」
「忘れ物……」
「あ!忘れてた!」
「もう忘れ物ないよな?」
「優里お姉ちゃんみたいなこと言うね~。大丈夫だよ」
信用できない……
「行ってくるね」
「なあ詩織」
「?」
「緊張してないか?」
「シ、シテナイヨー?」
「大丈夫だよ、詩織。きっと合格できるって」
「ほんと?」
「ああ、あんなに受験勉強がんばって……た?」
「お兄ちゃん?」
「詩織が勉強してる姿ちょっとしか見てないような……?」
「い……行ってくるね!」
そう言って詩織は走って行ってしまった。
さて、俺も帰るか。
家に帰り優里とテレビを見たりしながら過ごす。
まだ二人は起きてこない。
「うー詩織の試験終わったかな?大丈夫かな?」
「詩織を信じなさい」
「そうだよね……ちょっと迎えに行かない?」
「別にいいぞ?」
俺たちは家を出た。
~詩織~
大丈夫。いつもやってたことを今日の試験でもやるだけ……
いつもやってたこと……
受験の天王山って言われる夏休み。
みんなで海に行ったなー
遊園地も行ったなー
あと優里お姉ちゃんの誕生日会でしょー
勉強は……少ししたな……うん……やった。
2学期。
私あまりこの小説で出なかったな……
でもここで合格すれば私の出演率は上がるはず……!
冬休み。
ここでラストスパートをかけなきゃいけないんだよね。
お兄ちゃんからの誕生日プレゼントうれしかったなー
……あれ?私全然勉強してなくない?
でもここで合格しないといろいろとアウトな気がするよ!(小説的に)
大丈夫……某熱い人も言ってた……
やればできる、と
試験用紙が配られる。
マークシート式。
こりゃ合格もらったね!
私には湯島天神の鉛筆がついてる!
……4択じゃない。
これは自分の実力でやれという神様のお導きだね。
神様もツンデレだなー
しょうがない……見せてあげよう……私の本気を……!
お兄ちゃん……ごめん……私……同じ学校に行けないかも……
~亮~
「お、ちょうど終わったんじゃないか?」
ぞろぞろと学校から人が出てくる。
「あ!詩織!」
「本当だ。あれ?なんか様子が変じゃないか?」
「詩織ー?」
詩織がこっちに気がつく。
そして詩織と合流。
「どうしたんだ?様子が変だぞ?」
「ちょっと本気を出しちゃったからね……あはは」
「どうだった?」
「う……」
詩織が涙目になる。
そして俺に抱き着く。
「詩織……?」
「だめだったかもしれない……!」
「大丈夫だよ詩織。まだ最後までわからないじゃないか」
「うん……」
本当……受験って合格発表までわからないもので……
合格発表の日。
「合格してた」
「おめでとう」
「なんか主席合格だからあいさつ文考えてきてねって言われた」
そういえば今日誕生日だ……