第104話 女の子たちと冬休み? 1月2日
Rewriteがもうすぐ終わるのでやる気がかなりでてきてる今日この頃。
最近思ったんですが自分のユーザー名カレーライスなんですが正直カレーライスあまり好きじゃないんですよね…
「ぐはっ……」
俺は床に手をついた。
いつもだったらこの姿にすぐにツッコミがはいるところだがツッコミが入らない。
それはみんなが俺のこの行動が演技なんかではないと知っていたからかもしれない。
「亮さん!」
結衣が俺のことを切羽詰まった声で呼ぶ。
「大丈夫だ結衣……男にはやらなきゃいけないときがあるんだ……」
俺は結衣を片手で制しながら言う。
俺は何度倒れそうになってもその強大な敵に挑む。
「なんで……そこまでしてっ……」
優里が泣きそうだ。
泣かないでくれよ優里。
俺はお前らの涙が見たくないからこうして戦ってるんだ……
ちょっとくさいかもしれないがこれが本心だ。
「俺は……!守りたい世界があるんだああああああああああああ!!」
時は2時間くらい前にさかのぼると思う。
そう……たった2時間前だ。
たった2時間で俺たちの平和なお正月が崩れた。
「あけおめー」
彰と杏奈がうちに来た。
ちなみに彰。それもう死語になりつつあるぞ……
今思えばこの二人が来なければこんなことは起こらなかったのではないだろうか?
いや、起こったのは決まりだったのかもしれない。
今話題の某アニメ風に言うと『神様のメモ帳に書かれていた』ということだ。
あれ原作とちょっと進み方違うけど大丈夫かね?
まあそんなことはどうでもいい。
とりあえず続きを話そう。
「今日も寒いわね」
杏奈が言う。
「お前らの周りはいろんな意味であったかそうだけどな」
彰と杏奈は寄り添っていた。
一部の人がみたら全員口をそろえて『爆発しろ!』と言っているだろう。
「寒いのはたしかですぅ。なにかあったまることありませんかね?」
「あったまるっていったら鍋でしょ!」
「鍋はたしかにあったまるよね~」
正直この流れはまずいと思った。
円から詩織の同調。
この流れだと絶対に彰が馬鹿なことを言う。
むしろ流れというか『鍋』という単語がまずいのだ。
最近のいろんな作品は普通に鍋をやることが極端にすくない。
なにかしら変なことになる。
たとえば『闇鍋』とか。
「鍋もあったまるけどほか……
「闇鍋をしよう!」
止められなかった……
彰が俺の言葉にかぶせてきた。
絶対にこの単語を聞いてうちの馬鹿たちは食いつかないわけがない。
だから闇鍋という単語が出てきた時点で俺の負けだった。
「闇鍋……なんだか強そうだね!」
円が食いつく。
「強くなれるの!?」
詩織も食いついた。
「闇鍋とは……またおもしろそうなことを提案するですぅ」
結衣までも食いつく。
うちの唯一の良心優里は……
「闇鍋って材料どうしよう……」
やる気満々でした。
「材料なんてあるものでおっけー!」
もうみんなやる気だ。
ここでこの流れに乗らなかったらただの空気読めない男だ。
「じゃあやろうぜ!闇鍋!」
なんかそのままのテンションで夜になってしまった。
もうちょっとテンションが下がって頭を冷やしたら闇鍋なんて開催されなかっただろう。
コンロに火をつけて電気を消す。
これでもうほぼ何も見えない。
「じゃあ一人ずつなにか持って来よう」
まずは俺がとりに行く。
「さて……なにを持っていくか……」
闇鍋が開始されてしまった以上まずくて食べられないという事態は避けなければいけない。
『すべて食べきる』
これが俺たちが自分たちに課したルール。
ここで何を持っていくかという選択はすごく重要なものになる。
なにか味が濃いものなんてどうだろう?
もしまずくなってもその味に書き換えられるのではないだろうか?
そうと決まれば味が濃そうなものを探す。
タバスコor塩
辛いのは苦手だ。
塩を多めに入れればなんとかなるんじゃないか?
俺は塩を持ち出した。
それからみんな順に食材をとりに行った。
「じゃあ入れるぞ?」
一人ずつ入れていく。
俺は塩を。
あとのみんなはなにをいれたのだろう?
ここでアイスなんかいれられていたらシャレにならない。
「食べよう!」
「「「いただきます」」」
みんなが食べようとする。
「ちょっと待ってくれ!」
俺はあわててみんなを止める。
「どうしたの亮?」
「まず俺が毒見をする」
俺はそっと箸を鍋にいれる。
そして具をとろうとする。
「ん?」
「どうしたんですか亮さん?」
固形物がない……
これはまずい気がする。
コツ……
箸がなにかにあたった感触。
俺はそれをつかむ。
そして自分の取り皿に。
『あたり!ガリ●リ君1本おまけ!』
冷や汗がでた。
ガ●ガリ君のあたりを見たのは初めてだったがそんなことはどうでもよかった。
鍋にガリガ●君をいれるやつがどこにいる……
こいつはヤバい……
「お兄ちゃん!?なんか焦ってるように見えるよ!?」
暗い中でも俺の動揺が伝わったらしい。
今度は俺はおたまをつかってスープをすくう。
「う……」
匂いだけで逆流しそうだった。
それでも俺はスープを口に運ぶ。
なんか懐かしい人に会った気がした。
「第1級危険物に指定!」
俺はとりあえずそう言っておく。
「そんなにヤバいんですか!?」
「一瞬違う世界が見えるほどヤバかった」
「闇鍋憲法第1条『どれだけ不味くてもすべて食べきらなければならない』!」
そう言いながら彰はスープをいっきに口に運ぶ。
「…………」
「……彰?」
杏奈が心配そうにする。
彰は無言のまま後ろに倒れる。
「みんな……彰に敬礼だ」
みんなで敬礼する。
あいつは先に逝けて幸せだったのかもしれない。
なぜならこの先の地獄を見なくても済むのだから。
「私も一口……」
「だめだ円!俺はこれ以上死人を見たくない!」
俺は円に気をとられすぎていた。
「彰がいない世界なんて……!」
杏奈が一気にスープを飲む。
俺は杏奈の行動に反応できなかった。
「彰……そんなところにいたんだね……」
そう言って杏奈も倒れた。
「杏奈あああああああああああああああああああ!!」
誰かが言った。
生きているのは辛いことだと。
たしかに辛いことばかりだ。
でもその分幸せなことがある。
しかしこの闇鍋には幸せ要素なんてない。
俺ができることは俺一人でこのスープを飲み干してみんなの笑顔を守るくらいだ。
もう何度目になるのだろう……
おれはちびちびスープを飲んでいた。
……一人で
みんな心配そうに見てくる。
いっきに飲むと彰たちみたいになるのは明白だ。
そして冒頭に戻る。
「俺は……!守りたい世界があるんだああああああああああああ!!」
ふと、守りたい世界ってなんだろう……?と考えてしまった。
それが命取りになった。
口に運ぶスープの量を測りちがえたのだ。
「ごめん……みんな……」
俺は涙を流しながら散った。
俺→塩
優里→塩
円→ガリ●リ君
結衣→???(なんか鍋に闇属性を加えるものらしい)
詩織→チョコ
彰→タバスコ
杏奈→マシュマロ