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100京円持って死ぬ男  ―毎日1億円使っても、金が減らない―  作者: 一月三日 五郎


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第一話 毎日1億円使っても、資産が減らなかった

 俺には、深刻な悩みがある。

 金が、ありすぎるのだ。


 まず額を聞いてほしい。

 100京円。


 ――待て。

 その顔はやめろ。


 冗談でも、釣りでも、頭のおかしい設定でもない。

 ガチの話だ。


「は? 100億?」

 違う。

「兆?」

 まだ足りない。

「……京?」


 そう、その京だ。

 ゼロが二十個並ぶやつ。


 どうしてそんなことになったのかは、正直どうでもいい。

 投資が当たったとか、相続が重なったとか、そういう話だ。

 重要なのは結果である。


 俺は、金を持ちすぎている。


 で、何が問題かというと――

 この金、減らない。


 いや、正確には減ってはいる。

 だが、増える速度のほうが明らかにおかしい。


 使う。

 減る。

 寝る。

 起きる。

 増えている。


 意味がわからない。


 高級車を買った。

 ビルを買った。

 企業を丸ごと一つ買った。


 だが翌月には、

「おめでとうございます。資産が増えました」

 という通知が届く。


 おかしい。

 完全におかしい。


「使えばいいじゃん」と言う奴がいる。


 使っている。

 かなり本気で。


 毎日の食事はフルコース。

 服はオーダーメイド。

 移動は全部ファーストクラス。


 それでも通帳の数字は、

 微動だにしない。


 まるでダメージが通っていない。


「じゃあ人にあげれば?」


 無理だ。


 100京円を配る方法を考えてみろ。

 一人に1兆円渡したとしても、10万回必要だ。


 経済が死ぬ。

 いや、国が死ぬ。

 下手をすると戦争が起きる。


 金って、ここまで行くと兵器なのだ。


 俺は気づいた。


 ――金がありすぎる人生は、想像以上につまらない。


 悩みがない。

 達成感がない。

 買い物が作業になる。


 何をしても、

「まあ、金あるしな」

 で終わる。


 このままではいけない。

 さすがに退屈すぎる。


 そこで俺は、本気で考えた。


 どうすれば、

 この100京円を、

 ちゃんと減らせるのか。


 個人レベルの消費では追いつかない。

 企業買収も誤差だ。


 ――なら。


 国だ。


 国を丸ごと買えばいい。


 会社じゃない。

 土地も、制度も、主権も含めて、全部。


 小さな国なら、理論上は可能だ。


 ――本当に、理論上は。


 財政難の国を救う形で、

 借金を肩代わりし、

 インフラを整え、

 国民には十分な補償金を出す。


 誰も損をしない。

 平和的。

 合法。


 完璧だ。


 これなら一気に金が減る。


 俺は立ち上がった。


「よし。

 国を買おう」


 こうして俺は、

 100京円を減らすための戦いを始めた。


 なお、

 この判断が正しかったかどうかは――

 次の話でわかる。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

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皆様のブックマークや評価が、新人作家である私にとって一番の支えです。

また次の話でお会いしましょう!

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