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NO2の使徒バンブルビーアイを倒せるか

バンブルビーアイは、一人で歩いてくる有一郎を視認した。


(ん? あれは、ただ歩いているのではないな。明らかな戦意が感じられる。しかし、まだ中学生のような幼い顔をしているではないか……マジか?)


有一郎は、近づくと右回りに空間弾烈を発動させて瞬間移動を行った。


バンブルビーアイは両手を除いて、すべての目が前方についている。

すなわち、巨砲を撃とうとすれば、体を正面にむけなければならない。


手の動きを含めて、それでは空間弾烈のスピードについていけないだろう。


有一郎は回りながら、時折、ジグザグに移動しながら、邪眼念通と黒子魂没滅を連射した。


これらの攻撃は実感を伴わないが、的中すると確実に脳が疲弊する。

能力が衰退する。


そうすると判断力が鈍る。

一瞬の閃きに陰りがでてくるかもしれない。


あやかは有一郎が戦いを始め、バンブルビーアイが対応しきれていないのを見て、上空から灼熱()魂魄弾を撃ち込んだ。


灼熱魂魄弾はバンブルビーアイに当たる30センチ手前で爆発した。


上空からの攻撃は彼にとってノーマークなので、楽々と的中し、思わずぐらついていた。


初めて敵の攻撃を受けたバンブルビーアイは驚いていた。


(オレの頭上で爆発した? どうなっているのだ。あの少年が頭上に爆弾を投げたはずがない。それは絶対だ。それなのに……。しかも、オレはすべての攻撃は無力だと確信していたのに、なんだこれは。ダメージを受けているではないか!)


バンブルビーアイは、ここはいったん退散だと決意した。


そして、背中から蝙蝠のような羽を生やし、両翼を羽ばたかせて空中に舞い上がった。


そのとき、一反木綿に乗っているあやかが見えた。


(こ、こんなところに……何もかもが想定外だ。今回は退散してやるが、次は容赦しないぞ)


アンドレは拍手喝采していた。

これで、辛くも一命をとりとめた。


バンブルビーアイの奴、手も足もでなかったなと溜飲を下げていたが、これで終わりではないのだ。


次からは新たな手を打ってくるだろう。

マジでヤバイ奴だ。


わても逃げるだけではなく、新たな戦い方を模索しないといけないなと真面目な顔で呟いていた。


有一郎が言った。


「今回は敵の攻撃力と装備があらかじめ分かっていたから楽だった。しかし、翼を出して逃げるなんて」


「あんな大きな翼、一つも脅威ではないわ。むしろ、敵が手の内の一つを見せてくれたのはラッキーよ」とあやかはかなり楽観的だったが、もし、不意をつかれたらどうなるのか。


これはこれでヤバイでしょう。


どうやら妖怪たちでは厳しいし、式神たちも役に立ちそうもないし、戦闘力として計算できるのはアツユさんだけか。


そうとなれば、アンドレの活用法を考えないといけないなと有一郎は考えていた。

何といっても必殺の黄金のナイフを持っているのは大きい。


そのアンドレが有一郎に近づいて言った。


「わても何かやらないとじり貧になって殺されてしまうかもしれない。張っちゃいけねえ親父の頭、張らなきゃ食えねえ提灯屋っていうけど、いかに幹部使徒といえど、わての命を狙う以上、奴の頭を張り飛ばさねぇと気が済まない」と、アンドレは気負い気味に言った。


「何か良い知恵はありまっか」


「奴の目はすべて前についている。そこしか弱点が見つからない。今度、奴と戦えば、必ず、あやかちゃんが爆弾つきの三百羽の八咫烏を飛ばすはずだ。それだけでは倒せないが、三百発の爆弾から巻き上がる白煙が奴の視界を遮るはずだ。その隙を狙って、背後からブスッと刺すのがベストなのではないでしょうか」


「なるほど、隠れて飛び出すわけですね」


「いや、隠れるのはまずいでしょう。必ず、見透かされてしまう。そうなると動きが制限される、隠れるという行動自体が不利を招く」


「そうでやんすね、堂々と立っていた方が動きが読まれにくいということもありやすからね」


しかしと有一郎は考えていた。

待ち受けていると、どこからか不意打ちをしかけられる可能性が高い。


ここは攻めないといけないのではないか。

バンブルビーアイが潜むところに殴り込みをかけた方が勝ち目がでてくるのではないか。


「彼の姿はわたしの脳裏に焼きつけたわ。いつでも透視可能よ」


「バンブルビーアイだけが六眼シンシャを持っているわけではないということですね」


「彼がいるのは大平山村と呼ばれているところよ。そこの……別荘みたいなところにいるわ」

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