表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/32

第三の使徒ビッザリーノ、刺客第四の使徒アンドレに消される

その頃、ヤタロウは元神主らしく、有一郎たちに課せられた式神の任務を放棄したことに良心の呵責を覚えていた。


かごめは、何も感じていないらしく、「サキエルはヤバイわ。逃げて正解よ」とうそぶいていた。


ヤタロウが(約束を破った)という良心の痛みを感じていたとき、ヤタロウとかごめはバブルの中に吸い込まれていた。


「なんじゃ、こいつらは」とバブルを操る男は呟いていた。

男の名はピッザリーノ、三番目の使徒である。


「もしかしたら、光よ光よ教団に偵察に来ていた式神か? そうだとしたらバカなやつらだ。いいか、妖怪は良心など持ったら終わりなんだよ。妖怪なんてぇのは、心が腐りきって闇落ちし、それでも地獄霊になり切れずに妖怪になってしまった札付きのごくつぶしなんだからね」


「そんな救いようのない奴が良心を持つ? 笑えるぜ、だから、おいらのバブルが発動してしまったというわけだ」


ピッザリーノは、ヤタロウとかごめを閉じ込めたバブルを風船のように浮かせ、そこから伸びたひものようなものを持ってうろついていた。


バブルは人の目には見えないが有一郎たちには目視できる。


花房がバブルの糸を持っている男に近づいて行った。

男は、ゲゲゲの鬼太郎にでてくるねずみ男のような貧相な顔をしていた。


「オレは国家機関の者だ。ちょっと訊きたいことがある」

「いいぜ、銭さえだせば何でも答えてやるぜ」


「金なら出す。なんたって、オレの後ろには国家がついているからな。では、訊かせてもらおう。名前は何という?」


「ピッザリーノだ。こう見えてイタリア人だ」

(ほう? イタリア人? どうみても国産だろう)


「で、君は使徒か?」

「そうだ」


「親玉の魔物の名はなんという?」

「おっとと、それをおいらに訊くかね」


「金ならだすぞ」

(うう、銭をだすだって? マジかこいつ)


「いくら出せるのだ」


「魔物の名前を教えてくれれば三百万だす。なんなら、今すぐにコンビニのATMから出してやってもいいぞ」


(エーティエム、なんて耳障りの良い響きなのだ)

「三百万だと? リラに換算すると幾らになる?」


「一リラはおよそ4・45円だから、お前が勝手に計算しろ」

(ううう、一リラが4・45円だと、ううう、け、計算が面倒くせぇ)。


「わ、分かった、言うよ。言えば消されるかもしれねぇが、背に腹は代えられねぇ、命より銭だ。魔王の名はデザミングだ」


「どこの国の妖怪だ」


「名前以外は何も知らねぇ。これは本当だ。おいらはね、銭にならない嘘はつかないのさ」


「そうか、それではオレの式神を今すぐ解放してもらおうか」


「にゃん、にゃんだと! おめぇ、面白いことをいうな。人質をただで開放するマヌケがどこにいる?」


「ならば、力づくで解放させるぜ」


「ほほう、使徒に向かって面白いことを言っても銭にはならないぜ」


そういうと、ピッザリーノは、身の丈3メートルにもなるデラックスピッザリーノに変身した。


そこに、あやかの逢魔時白烈が炸裂した。

三百羽の白い八咫烏がデラックスピッザリーノの巨体を包み、爆発した。


しかし、八咫烏たちはバブルの中に捕らえられており、バブルの中で爆発したので、デラックスピッザリーノは平然とした顔をして、デブったお腹をボリボリかいていた。


バブルはゴム並みにやっかいな妖術だった。


さて、どのように料理してやろうかと思っていると、第四の使徒がやってきた。


使徒は言った。

「おい、ピッザリーノ、お前は魔王様の名前を口にしたな」


「ああああ、それは、たまたまの出来心だ。許してクレメンス」


「本当にお前は大馬鹿野郎だな。全てが魔王様に筒抜けになっているのを忘れたのか?」


「いや、忘れたわけではないが、こいつが」と花房を指さして言った。

「三百万だすから言えと、おいらを買収したのだ」


(なに? 三百万だと……)

第四の使徒の目が光った。


「本当にお金をもらえるのか」

「ああ、もちろんだ。ところでお前は誰だ」


「わての名前はアンドレだす」

「アンドレ? わてさんはフランス人というのか」


「そうざんす、わては生粋のフランス人なのだす」


そういうと懐から黄金色のナイフをだし、いきなりデラックスピッザリーノの背中を刺した。


デラックスピッザリーノはシュー! と空気が抜けたような音を発して、みるみるうちにしぼんで3センチほどになり、やがて風に吹かれて飛ばされて行った。


すると、バブルもはじけて、空中からヤタロウとかごめが落下してきた。


(なるほど、アンドレの妖術は空気を抜く術か。しかし、こいつもお金に弱そうだな。見るからに下品な顔をしている)


アンドレは、ベッタリと頭皮に張りついたような髪をしており、丸顔で、眉毛がなく、口も小さく、しかも出っ歯だった。


(こいつもピッザリーノに劣らず銭ゲバかもしれない)と思うと花房の脳裏に自然と銭ゲバの歌が響きだした。


地獄極楽ド畜生 南無阿弥陀仏の人生さ 真実一路の人生なれど、ままよ人生銭ズラよ どろにまみれた泥んこ命 生まれてこなきゃ良かったか 閻魔様に心を売り 心は蛇蝎(だかつ)になり果てた。


まさにその通りだ。

銭ゲバの攻略法は簡単だ。

とにかく札束を目のまえに積めばよい。


花房が仕掛けた。

ダイレクトに「魔王は何処にいる?」と訊くとアンドレはずっこけていた。


「おいおい、冗談じゃねぇぜ。そんなことを口にすれば、すぐに暗殺係の使徒が派遣されてピッザリーノみたいに消されてしまう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ