なんのイメージも浮かんでない空
詩を描くイメージが、浮かんでこないときもあります。
星座も描けないキャンバスで
きょうのあたしは
なんのイメージも浮かんでない空を飛ぶ
どんな翼もはえてない背中に
くまのぬいぐるみリュックをのせて
お菓子は300円までなんて けちなこと言わないよ
よれよれの軌道があぶなっかしいけど
地べたにキスするために
くちびるを赤くぬったわけじゃないから
のっぺらぼうのプラネタリウムの内側で
きょうのあたしは
なんのイメージも浮かんでない空を飛ぶ
プロペラをどこにはやそうか
まだ 決めかねているうちに
3枚刃にするのか 4枚刃にするのか
もう 選択をせまられたから
近未来の扇風機みたいに羽根のないやつを
おねがいしといた
そんなこんなで 見てのとおり
翼もプロペラもないあたしだけど
きょうはなんとか
なんのイメージも浮かんでない空を飛ぶ
そのうちまた
このプラネタリウムの内側にも星座が描かれて
にくきゅう座を光らせる日がくるだろうけど
それまで 地べたにキスしてなんかいられない
なんのために くちびるを赤くぬったのか
それを あたしは忘れてなんていないから
なんのイメージも浮かんでなくたって
きょうもあたしはこの空を飛ぶ
でも、描くのだ!