6ページ目 居候が同級生になることってよくあること
とりあえず何とか…早めに更新…
「久しぶりだな旅人。
と言ってもそっちは俺の顔を知らないみたいだな。ならば三人とも始めまして。俺の名は山上鳥本だ。一応この学校の理事長をやっている」
理事長室の豪華な椅子に座っていた男はそう言った。何だか威圧的な口調をしている。コイツが理事長?俺からしてみたら信用出来ねぇ
何故かと言うと…っと、まずは鳥本と名乗る男の容姿から言っておく。
身長は160から170の間くらい。体格は見た感じ男にしては細く、肌白。はっきり言って弱そうだ。
顔は………いわゆる女顔だ。しかし、眼光と目付きは共に鋭い。髪型は…多少茶色っぽいような気もする黒髪の、ちょうど首の後ろが隠れるくらいに伸びたちょっと長めの髪。跳ねっ気は無い
はっきり言うと、一瞬女と見間違えた。でも、悲しき性か…俺も同じ境遇のせいか、女のように見えるけど男だと分かった
そして…年齢は15くらい…そう、俺と同年くらいなのだ。
俺と同年くらいの男が自分の学校の理事長なんて信じられねぇ。さらに何故俺たちを呼んだんだ?それに旅人の知り合いと言ってた癖に旅人とは初対面みたいだ。謎が多すぎる…
「ふむ、どうやら槍館君は俺の事を信用出来ないみたいだな」
「何で分かった!?」
「いや、普通に顔に出てるぞ」
「………………………………………………………………………………………………………………………」
「まぁまぁ鈴音。きっとそれは正直だって事なんだよ。正直って良いことだよ?例えば…ええっと……………心理テストとかできっといい結果が出るだろうし…」
「もう良いんだ…凛歌…それは微妙過ぎる…」
「ふわぁっ!鈴音!落ち込まないで?ね?」
うぅ…心に微妙な傷が…
俺が落ち込んでる間に旅人は鳥本に話しかける
「…山上…?まさか…お前…」
「きっとお前の思ってる通りだ。旅人」
「…懐かしい」
この二人の会話ははっきり言ってよく分からない。まるで遠い過去の昔話みたいだ…二人ともそんなにジジイには見えない…ってそれどころか二人とも10代に見える。
「…ところで要件は?」
「…ふむ、ちょっと過去の話にふけっていてまだ話して無かったな。要件を話そう。あと鈴音…と呼び捨てにしてもいいか?」
「え?あ、はい」
「よし、だったら鈴音。お前も話を聞け
まぁ正直言って要件とは言い難いのだが…旅人。お前にはこの学校に通ってもらいたい」
「……へ?」
旅人と俺の声がダブる
「……旅人。お前が前にこの世界に来てから何年が経過したと思っている?」
「…すまん、前に来たのがいつだったのか覚えて無い」
「おおよそだが…既に500年は経過してる」
「…そうか…500年も…どうりでこの世界の景色は見慣れないと思った」
「…そうだ。魔界や神界はともかく人間界は違う。500年もあれば人は進化する。人間は神や魔族より遥かに不完全な生物だからな…」
「同じ人間であるお前が言うセリフか?」
「………同じ人間であるからこそ言ってもいいだろ。それに人間は不完全だからこそ面白い」
正直、話について行けない。話が突飛過ぎる。とても一般人である俺がついて行けるような話ではないな…こりゃあ
二人とも…特に旅人が…まるで自分が『普通の人間ではない』ような話だ…おかしい。これは事実なのか?それとも二人とも頭が狂っているのか?もしくはこれが普通で俺が狂っているのか?
その三つの解答しか俺は考えられない。だとしないと噛み合わないからだ
「さぁ話の続きだ。旅人。お前には今挙げたことによりこの世界の常識というのが無い…よって、お前を学校に通わせることにした」
「…へ?」
旅人が疑問符を浮かべる。そりゃそうだろ。なんせ俺だって疑問符を浮かべているんだしな。
…まぁ、凛歌も疑問符を浮かべているには浮かべているけど、俺たちの疑問符とは違う。きっと話に着いていけないだけだろう。
「…ちょっと待て。何故俺が学校に通うことになる?」
「…言った通りだが……お前は社会常識に欠けるし、他の世界に行く用事は無いだろ?だからお前にはこの学校で社会勉強をして貰おうと思ってな…」
「社会勉強の必要など無い!」
おぉっ!?旅人が『!』マークを使っているのを見るのは初めてだ!理由は分からないけど何となく感慨深い
「ははっ。旅人。お前がいない間にこの世界は随分と変わってるんだよ」
「ってリズミアぁっ!?」
「…何故お前がここに…」
「へ?リズミアさん?」
…ふと気が付くと、突然、鳥本の背後に男物のライトグレイのスーツを着たリズミアが立っていた。朝から見てないと思っていたらこんなとこに…
「あぁ、リズミアにはちょっとした事情でこの学校の教師をやってもらっている」
どうやら鳥本とリズミアは知り合いみたいだ…てか教師っておいおい…こんな変人を教師にしていいのかよ…
「とりあえず自分は1のCクラスの担任になることになる」
「って俺のクラスかよっ!?」
「まっ、お前のクラスだからだ。からかいやすそうだし旅人も同じクラスになるし」
「…俺は納得いかない」
「まぁまぁ落ち着け、旅人。お前が生徒でリズミアが教師という構図のほうが都合がいい…」
「そうか…」
「ということで鈴音、旅人の面倒を宜しく頼む」
「はぁ!?何で俺が?」
「…旅人はお前の家の居候だろ?だからだ」
「う…ぐ…でも旅人が居候が成ったのは成り行き上で…」
「いかに成り行きで居候になったとしても、旅人はお前の家の居候という事実は一切変わらない…だから宜しく頼む」
「う…」
くそっ、論破されてしまった…でも確かに言ってる通りだ…
「さて、そろそろ時間だ。鈴音、お前はとりあえず凛歌とともに自教室に戻れ。リズミア、お前は旅人に一通り説明した後に旅人を教室に案内してくれ」
「はいはい。分かった」
「凛歌。戻るぞって凛歌ぁっ!?」
「うー頭痛いよー…」
「いやちょっと待て!お前さっきから何も発言も行動もしてないかと思っていたら頭がショートしていたのかぁっ!」
***
「うぅ…疲れた…」
「また凛歌とトラブルか?」
俺は教室に戻ってきた。今は近くの席の豊満聖鳴と話している。
とりあえずこの前、聖鳴の容姿は言い忘れてたから今言っておく
聖鳴の体つきは…身長は比較的高め、体つきは比較的がっちりしている。顔も男らしい感じのイケメンで、美少年というわけではない。また、両手の人差し指に銀色の指輪を着けている。
っとまぁこんなとこか
「そうそう、そういや今日はようやくうちのクラスの担任が決まったみたいだぜ?このクラスのクラス担任予定だった先生は何か突然やめちまったみたいだから中々決まらなかったんだとよ」
「へぇーそうなのかー」
大方鳥本理事長がそんな噂を流しているのだろう
「そんで今日はクラスの一人一人の自己紹介があるのだとさ」
「そうなのかー」
俺は適当に相槌を打つ
そして最初のチャイムが鳴った
鈴音「ぶっちゃけ言って今回の話に出てきたのは凛歌を除けば男ばっかだよな」
うぐっ…それを言うな…
鈴音「大体この小説には女性キャラの配分が少ないような気が…」
ふふふ、しかし次回は新キャラがバンバン登場だ!お楽しみに!
鳥本「だがもう一つの小説は自分の身の程もわきまえずキャラ出しすぎてカオスになったんだよな」
うぐっ…では!
鈴音「逃げやがった!?」