3ページ目 もふもふでふわふわな生命体と居候
…もう一つの小説の執筆が全く進まない…
「へぇー。広いですね」
「あのな…もう丁寧語はいいぞ。旅人」
「…あぁ、そうか」
今、旅人とリズミアと共に俺の家に戻ってきてる…
「ところで何でリズミア。お前までいるんだ?」
俺がリズミアに聞く
「ノリで」
「ちょっと待てぃ!色々と待て!」
「じゃあ…気分で」
「大して変わってねぇ!?」
「本当のことを言うと…タダ飯が食えそうだしな」
「タダ飯目当てかぃ!そんなこと言うんだったら出さねーよ!」
「断る!」
「お前のどこに拒否権が!?」
「お客様だぞ!」
「こんな図々しいお客様、この世に生まれて初めて見たが!?」
「まぁまぁ、二人とも落ち着け」
旅人が俺たち二人を制止する
「…ところで旅人」
リズミアが俺の話を無視して旅人に話しかける
「何だ?」
「お前…家に入った時くらい帽子脱げよ」
そうである。この旅人は登場してからずっと帽子を被っていたのである
深く帽子を被っていたので、ずっと素顔は良く分からないまま。
「…あぁ、確かにその通りだな」
そして旅人は帽子を脱いだ。
男にしては綺麗な銀色の長髪で…イケメン過ぎる。本当に嫉妬したくなるくらいのイケメンだったのだ。そしてさらに長身で…体つきもがっちりしてる。くそう、バレンタインの日は俺までチョコ処理の手伝いする羽目になりそうだな…って何を考えているんだ?俺は
そして…
「ここがお前の部屋だ」
「へぇー…中々広いな」
俺は旅人に家を案内した
「そしてちょっと待て!旅人!お前は何故テントを取り出す!?」
そして何と旅人はいきなりどこからともなくテントを取り出した
「あぁ…すまん。いつものくせでな」
こ、こいつは危険だな…下手すればその内、家の中でテントを張りそうだ…そしてついにたき火をし出して…家が火事に…いかん!それだけは阻止しなければ!
そして俺はふと時計を見る
「…ヤバイな。そろそろ夕飯の用意を始めなきゃ」
「飯…か?居候だし、俺が作ろう」
「…へ」
すると、旅人がこんなことを言い放ちやがった…
「よし、まず最初に…」
炭を取り出して…って
「まてまてまてまてまてぃ!」
こ、こいつ俺の予想通りのことをやろうとしやがったなこの野郎!
「…?どうして止めるんだ?」
「お前は天然かぁ!家が火事になるだろうがぁ!」
「…あ」
「『あ』じゃねぇよ!この野郎!天然か!?お前は!飯は俺が用意してるからお前はこの部屋で適当に待ってろ!」
そして俺は部屋を出てキッチンに向かう…あいつは悪い意味で期待を裏切らないな…
バタン
俺が食事の用意をしはじめた所で玄関のドアが開く
「やっほー鈴音!ご飯出来た?」
「お、凛歌か。今日は早いな。ご飯はまだだぞ」
「…そうなんだ」
凛歌は非常にテンションの起伏が激しい
「あれ?そういえば、旅人さんとリズミアさんは?」
「あぁ、部屋に居…」
そこで俺の言葉は止まった、何故なら…
「もふー」
「…………………………………………もふ?」
そう、俺の目の前に突如、なんか綿みたいでモフモフした、空にふわふわと浮かぶ、つぶらな瞳の顔をした、謎の生命体?がいたのだ…はっきり言って…
「…か、可愛い…」
そう無茶苦茶可愛いのだ。そう、なんというかもう、モフモフしたくなる。抱き締めたい。あー、なんてキュートな生命体なんだー。癒される~♪
…はっ、ちょっとキャラ崩壊していたぜ。ヤバいヤバい…危険だ。よりによってこんな最初のうちからキャラ崩壊するなんて特に
ふぅ…よし、落ち着いた。とりあえずまず一つの疑問が浮かび上がる。このモフモフふわふわした生命体は一体なんなんだ?
「モフモフ?」
「…も、もう我慢出来ないよ………モフモフむにゅむにゅズドドーンバキューンしていい?」
「いや、ちょっと待て!モフモフしたいのは当然だ。俺もしたいからな。そしてむにゅむにゅも分からないことは無いさ。
だけどな…ズドドーンバキューンって何だよ!?意味不明だぁ!撃つのか!?拳銃か何かで発砲でもするのかよ!オイ!
そしてプロローグの会話とは違って俺がツッコミなのは何故だぁ!?」
…なんちゅう長いツッコミなんだ……
「……それは全て作者のせいだ」
「あぁ…確かに…っていつからそこに居たんだぁ!?」
そういつの間にか旅人が俺の真横に何事も無かったのようにいた…なんちゅう神出鬼没なんだ…用心しないとな
「まぁまぁ、落ち着いて」
凛歌が俺をなだめる…ふぅ、お前の顔が眩しいぜ
「それにしてもこの生命体は何なんだ?」
「…メルモフ。俺の可愛い可愛いペットだ
おーい、メルモフー。戻ってこーい!」
「もふもふー♪」
……本当に一体何なんだよ!旅人!お前はな!
「…とりあえず…この謎の生命体はスルーで」
「可愛いー!」
「もふー」
って凛歌…言ったそばからメルモフという謎の生命体に抱きつくなよ…もふもふして気持ち良さそうだけどさぁ……でもな…お前がしていることはパンダに抱きつくような行為だぞ!?パンダって可愛い顔しているくせに、中国では毎年パンダによる死者が出ているという事実を知ってるか!?
「…で、飯はまだ?」
「あぁ…リズミア…お前まで来てたのか、もうちょっと待っててくれ」
向こうを気にしたら負けだ!何に負けるのかはよく分からないけど
…そして俺は調理を再開した