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25ページ目 ゲームをやるのもほどほどにとか言うけど、それは誰かが怒るからではない

ここで読者の皆様方に重大発表でございます。

なんと旅人日誌人気投票にあたり、期間限定で『小説家になろう』の作者様でなくても感想を出せるようにしました!

どうぞ評価感想投票なにぞと宜しくお願いします!

ただし、著しいマナー違反、迷惑行為目的等の感想が来た場合には元と同じ状態に戻しますのでお早めにお願いします。そう、できれば鈴音の活躍シーンが出る前にお願いします(笑)

「ふあぁ……っと」


朝、俺はリビングのカーテンを開ける。

すると、とても清々しい日光が部屋の中に差し込んできた。

軽く窓を開けると、風がちょうど良く吹いてきて、心地が良い。

ザワザワと木の葉は揺れて、小鳥はちゅんちゅん鳴いている。

そして俺は軽く背伸びをした後、朝日に照らされたリビングの方を向いてみる。


ピコピコピコピコ

ガチャガチャガチャガチャ

ウイーンウイーン


チカチカとした画面の光。鳴り響く電子音。コントローラーを叩く音。画面に大きくキャラの顔が出るとと同時に発せられる、必殺技らしき音声。


「あ……鈴音ぇ……おはよー……」


「もふもふ…もふー」


「…………お、おはよう」


そして、そこに居たのは凛歌、旅人、メルモフの三人(二人と一匹?)だ。

そのうち二人はテレビに映し出されたゲーム画面に向かい、コントローラーを手にしている。ちなみにメルモフは旅人の膝の上で幸せそうに寝ている。


ズバアッ!

ピコピコピコピコ

ウィーンウィーン

ピコーン


ゲームの画面は巡るましい勢いで変わっている。そして二人は凄い勢いでコントローラーを破壊しかねないくらいの勢いで、連打をしている。

………………………………………………………………………………………………………………………………………………さて、ここで問題です。

この人たちは一体、何ヲヤッテイルノデショウカ?

そこで俺が出した結論。それは……


「なんだ幻覚か。疲れてるんだな俺……ごめんけど、ちょっと二度寝してくる」


「ちょっと待って鈴音! それはむしろ無視される事よりもキツいから止めて!? ほらツッコんで!」


カムバックUターンをしようとした俺を凛歌が引き止める。


「なら、ツッコむぞ。

朝なのにカーテンも開けずにゲームをやるなんて、体に悪いだろうがあぁぁぁぁぁッ!!!」


「ってツッコむ所はそこなのっ!? というかなんて心優しい意見!」


「じゃあ、ゲームのやり過ぎで腱鞘炎にでもなったらどうすんだよ!?」


「それは心配のし過ぎだよ!? そこまでは流石にやらないから!」


「じゃあ、そろそろ真面目にツッコミ入れるぞ」


「やっぱり今日の鈴音の、今までのツッコミは本気じゃ無かったんだね……」


「まぁ、たまには俺だってボケてみたいしなぁ」


「そんな理由だったの!? もし鈴音が完全にボケに回ったら……えぇっと、世界があらゆる意味で壊れる所だったよ?」


「ちょっと待てい!

今なんか聞き捨てならない事があったよな!?

世界があらゆる意味で壊れるって何がどうなってそうなるんだよ!? 世界のバランスが崩壊するとかそんな所か!? その程度で世界が崩壊して堪るかあぁっ!」


「…………………………………………………………うん。そうだよね鈴音」


「今の微妙な感じな間は何!? あれ、それはもしかしてマジなのか!? なぁオイ!」


「……この世には気にしない方が良い事もあるんだよ鈴音」


「うおい!? なんか無茶苦茶気になるぞ!」


「……そろそろ本題に入ったらどうだ?」


俺と凛歌が馬鹿会話に突入しかけた所で、旅人が制止をかける。確かにその通りだ。話しが脱線しまくってる。どうせこんな話は冗談に決まってるだろうし………………………………………………………………………………ほ、本当に冗談だよな?


「そ、そうだな。それじゃあ本題に戻るけど……何でお前らはこんな朝っぱらの俺が起きる前から、いつの間にかこの部屋に来て二人でテレビゲームなんてやってたんだよ?」


「それは…………気がついたらこうなっていたとしか……な」


「は? どういう事だよ?」


旅人の答に俺は明確な疑問文で返す。すると、凛歌がそれの肉付けをしてくれる。


「それは要するにね…………」


凛歌の話を総合してみよう。

どうやら凛歌は昨日眠れなかったらしい。

すると、凛歌は俺の家の庭の方から聞こえてくる物音に気づいた。



***



「んぅ………うーん寝れないよう……」


凛歌は、ベッドの中で幾度も寝返りをしていた。

寝返りといっても、実際に寝てはいないから間違いなのかもしれない。厳密にはゴロゴロしていたと言うべきか。

その時だった。


ヒュッ

ズシャア!


外の方から空気を切り裂く音と共に、何かが地響きをあげて落ちたような音がした。


「……鈴音の家の方からみたい……」


凛歌はその音を聞き、目にも留まらぬ速さでパジャマから私服に着替えて靴を履き、鈴音の家の庭へと向かう。

凛歌は足音を立てないように、なおかつ出来るだけ速く歩く。どうやら多少なりとも緊張しているようだ。ただし、天然か。警戒はしてないが……


刹那。


「誰だ……?」

男の、低い声が聞こえた。

その声の主は、鈴音の家の庭に居た人影。

人影は長身だが、少々細身だった。そしてその左手には明確な武器……小刀が見てとれる。

その様子を見て、凛歌のした行動、それは。


「やっほーっ! 旅人」


そんな、なんか緊迫してそうな雰囲気を何もかもミクロレベルでぶっ壊す陽気かつ呑気なテンションの声が放たれた。

ちなみにその時、人影がすっ転びかけたのは秘密事項だ。

そしてやっぱり人影の正体は、ぶっちゃけた話し、誰でも最初からまるわかりだったであろう旅人だ。


「な、ななな、なんですか凛歌さん」


「『さん』付けはいらないよ」


あまりにあんまりなこの状況で動揺しまくった旅人は、なんか口調が色々とおかしくなっている。はっきり言わなくても変だ。

もしこの場で、普段の旅人を知る第三者が入れば間違いなく爆笑であっただろう。

そして凛歌のツッコミも、あきらかに軸がぶれている事も爆笑の一要因だ。ちなみに凛歌には悪気は一切無い。全ては天然だ。天然が悪い。そうとしか言えない。言いようが無い。


数分後


「……で、こんな深夜にどうしたんだ?」


ようやく平静を取り戻し、小刀を収めた旅人が凛歌に尋ねる。


「あーっと。実はちょっと寝れなくて起きていたら、ここからなんだか音が聞こえてきて、『何だろう?』って思ってね」


「そうか……それは悪かったな」


「いやいやそんな事は無いって。で、何をしてたの?」


凛歌は旅人の周りを見渡してみる。

旅人の足元の地面には、力強く移動したのか足跡がつき、なおかつそこには大剣が突き刺さっている。

旅人の隣にある実寸大の人形は、胴の所から真っ二つに切り裂かれ、頭がある部分は地面に落ちている。

そして当人である旅人は、軽く汗を書いていて、左手には小刀を持っていた。

そこから凛歌の出した結論は。


「…………一発芸?」


「……一体何でそんな結論に至る?」


「えぇっ!? 違うの? 刀の先から水を吹き出したりそこの人形を切ると噴水のように水が吹き出すんじゃないの?」


「いやいやいや水芸か? それは暗に俺に水芸をしろと言ってるのか!?」


「じゃあ……民族舞踊?」


「それはまぁ、分からない事も無いが……」


「確か……この後裸踊りとかするんだよね?」


「だから一体俺に何を求めているっ!?」


「え……違うの?」


「なんだそのキョトンとした顔は……まさか本当にやると思っていたのか?

……やはりツッコミは慣れない。鈴音のようにはいかないな……。

それはともかく、俺がしていたのは剣術やらの修練だ。毎日やらないと体が鈍る」


「へぇーそうなんだ。鈴音と一緒だね」


「『鈴音と』?」


「あーっとゴメン。気にしないで」


「……そうか」旅人はあまり詮索はしないタチのようだ。

その言葉を聞いて、つい失言をしてしまった凛歌は、軽く安堵の息を吐く。

すると、旅人は。


「……とりあえず、今日の所の修練はもう終わりだ」


突然こんな事を言い出した。


「え? もう?」


「時間的にも遅いからな」


「うわー……どうしよ。私、今日は寝れないから旅人の修練をずっと見てようかと思ってたんだけど……仕方が無いよね」


旅人の言葉は正論だ。それに凛歌は渋々ながらも納得し、引き下がるほかは無い。


「どうしよう…………鈴音も寝てるし……………………………………………………………………………………」

そして凛歌は暫く考え込む。これから何をして眠たくなるまでの暇つぶしという点だ。


「………………………それじゃあ俺は寝る事にする」


そう考え込んでいる凛歌を後にして、片付けを始める旅人。


「……………………………………………………………………そうだ!」


何を突然思いついたのか、凛歌は片付けをする旅人を置いて鈴音の家の中に入っていく。

ちなみに凛歌は鈴音の家の合い鍵持ちだ。同じく鈴音も凛歌の家の合い鍵を持っているのだが、鈴音の方はほとんど合い鍵を使う事が無い。


数分後。


チュドーン

ドカドカドカ

ガチャガチャガチャガチャ!


「っ!?」


付近の迷惑にならない程度に鳴り響くゲーム音。それに驚いた旅人は、大して大きく無い音なのだが、つい耳を全力投球豪速球で耳を塞ぐ。


「一体何をやっているんだ!?」


「あ、旅人。私はテレビゲームをやってたんだよ」


旅人が見た所に居たのはやっぱり凛歌。

テレビ画面の前に座って何かを操作していた。


「テレビゲーム? 何だそれは? テレビで殴り合う戦いか?」


「いや、違うよ!? というか一体なんなのそのゲーム!?」


「じゃあ……テレビで殺し合うゲームか?」


「なんか、より一層物騒に!?」


「ならばテレビを海に沈める競技か!?」


「環境に悪そう!? それになんてシュールな光景!? というか一体何でそんなのが思いついたの!?」


「なら……」


「もういいよ……なんか正解しそうな気がしないもん」


テレビゲームという単語自体聞き慣れないのか、なんかもうツッコミ所満載だ。


「……じゃあ、やってみない?」


次に凛歌が放ったのはこんな言葉だった。



***



「なるほど。そういう訳かよ………………てめぇら、ゲームのやり過ぎだぁっ!!!」


「ご、ゴメンね鈴音!」


俺の正体不明の謎の気迫に圧されたのか小さくなっている凛歌に、そして何故か旅人も。

「まったく……その時からずっとやっていたのかよ?」


「うん……ちょっと夢中になっちゃって」


「やっぱりつーか。凛歌……お前強すぎるんだから、少しは手加減してやれよ……そして旅人。お前の場合はきっと、もうまるで勝てなくて意地……もしくはヤケクソになってるだろ?」


「すまない。その通りだ……いかにゲームと言っても一回も勝てないねは悔しくてな」


「そりゃあまぁ……凛歌は、さるゲーム大会で優勝するほどの実力者だからな」


「……?」


旅人は俺の言葉に首を傾げる。どうやら凛歌がどのくらい強いのか分かってないらしい。いやそりゃまぁ俺だって『さるゲーム大会』って単語だけじゃピンとこねぇけど何となく強そうだって事は分かる。


「いや、分からなかったら良いんだ。

とりあえず、俺から言える事は一つ……」


そこで、そろそろ朝飯の準備をしないと本格的にマズい俺は、話しを終わらせるためという意味合いも三割くらい込め、息を大きく吸い込んで、一気に解き放つ。


「てめぇら、俺が飯作ってる間だけでもいいから少しは寝やがれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


「やっぱり鈴音は地味に主婦スキル満載の世話焼きだね!?」


そんな俺の声と凛歌のツッコミは相乗効果で家中に五月蝿く鳴り響いた。

うう……コメディー編のネタが無い……

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