表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/34

24ページ目 異常なる島

更新遅れて申し訳ございませんでした!

実は、重度のスランプに陥ってまして……文章が書けないのなんの……。

あと今回の話は伏線を詰め込んでおります。意味が分からない所も度々あると思いますが、ご了承下さい……

夢音の攻撃『デコピン』が命中した。


パリーン


そんな音が、天井の見えない部屋の中で響く。

その瞬間、夢音の指を起点として人の形をした化け物の白い顔を隠すようにした仮面が真っ二つに割れていく。


「ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


化け物は、両腕で仮面を抑える。しかし仮面の崩壊は止まらない。それと同時に、化け物を束縛していた鎖も、まるで始めから何も無かったかのように、透明になって消えていく。


「駄目だよ」


そこで、夢音はそう言い聞かせるかのように化け物の仮面を抑える腕を、静かに払っていく。


「君は既に、終わっているからね」


夢音はいつも通りの微笑んでるような顔で呟く。

それが引き金となった。


「ギガkラタwヤケノヨヮリgjaサカヌjフッメツ%%ilカィヌヤレギシャシャアァァッ!!!!!」


頭から被った白い仮面全体に無数のヒビが出来ていく。そして拘束していた鎖は完全に消え去る。

その瞬間……化け物だったものから放たれた白い輝きが天井の見えない部屋全体に覆いかぶさった



***



「……夢音。ちょっト聞きたイ事があるんだガいいカ?」


黒い仮面をした白髪の男は、赤い髪をした女に問い掛ける


「何だい?」


「……まさカ。こんな状況になルとは考えテいたか?」


「ははっ。こんな事になるなんて、ボクも予想外だよ」


「お前、本当に何も考えテ無いナ!?」


黒い仮面をした男はついつい大声を出してツッコミを入れてしまう。


「あのぅ……本当に申し訳ございませんでした」


そして、割り込むように最後に聞こえた声の主は、夢音のものでも黒い仮面をした男のものでも無い。


「いやいやそんな事は無いよ。ボクも食後の運動になってありがたいしね」


「そうですか……でも私の気がすまなくて」


「だから謝る必要なんか無いって」


夢音と話している女……それは、空中に浮かんでいた。

それは白い白衣を着た、胸が大きくそこを除いたら、全体的にスレンダーな感じのする、長い髪に星型の髪飾りをした女子大生くらいの美人。その美女は、全体的に白くなおかつ透き通っていた。

「それにしてモまさカ、あの化け物ノ正体がコレだなんテな……」


「はわわ……」


「べ、別に責め立ててルつもりでハ無イのだガ」


あからさまに動揺する美女『幽霊』に黒仮面は弁明をする。


「この件は君のせいじゃないから大丈夫だよ。『彼』……に当てられてしまった不運なだけだからね。

それより……自己紹介でもしようか」


すると、夢音は唐突にそう言い放った。


「はわわ……じ、自己紹介ですか?」


どうやら、白衣を着た星の髪飾りをした彼女は『はわわ』が口癖らしい。さっきから連発している。


「ボクの名前は式城(しきじょう夢音(むおん。一応人間で、年齢は15の女子高生だよ」「はァ、全く。本当に唐突だナ夢音。僕の名前ハ………………………」


ザアァッ


「はわ……風?」


疑問の声をあげたのは白衣を着た、何だか体が透けている彼女。

黒い仮面をした男が自らの名前を言うと同時に、突然涼やかな風が吹いたのだ。


「……なるほどナ」


ここは室内だ。しかも窓も開けている訳でも無い。風が吹くのはおかしいはずだ。

それなのに、黒仮面と夢音は疑問符を浮かべたり警戒もしたりしないで平静だ。


「どうやら、『空白の空間』が閉じているようだね」


そこで夢音の言ったのは、『普通なら』理解の出来ない台詞だ。しかし白衣を着た『はわわ』が口癖の女は手の平にポンと軽く握った拳をおいて、納得したような表情をする。


「『空白の空間』が崩れてるのですか……なるほど……それなら納得です」


「あぁ、キミは『裏』の方を知ってるんだね」


「はい。そうですっ! 私って、死ぬ前は山上財閥の方で研究員をやっていて……それ関連で多少は。

『空白の空間』と言えば、一つの世界と、別の世界とを繋ぐ道の出来そこない……でしたよね?」


「そうだよ。『空白の空間』は世界と世界を繋ぐ道が行き止まり、そこに溜まった空間が広がって出来た世界……っと、専門会話はここら辺にして次はキミの自己紹介だね」


「はわわ……そうですね。私の名前は、新橋しんばし実菜みなって言います。一応昔は『山上財閥』って所の研究員だったんですが、今はここで幽霊をしてます。

ええっと……これから宜しくお願いします!」


「こちらこそ」


そこで夢音と美女幽霊……もとい実菜は軽く手を握りあった。



***



「……お前ガとっとト戦いを終わらせテくれれバ、こんな苦労をすル必要は無かったんだけどナ」


そして、黒仮面は軽くため息をはく。そのため息には、少々すでに諦めてるような感情も見てとれた。


「ごめんごめん。つい調子に乗っちゃってね。後でから何でもするから、それで許してくれないかな?」


「ナ、何でモだトッ!?」


その夢音の発言を聞いて、つい大声を出してしまうが必死で動揺を隠そうとする黒仮面。

それもそのはず、女の子の言う『何でもする』とは男からしてみれば理想……最高で、心を貫かれてしまう台詞だからだ。


「……い、いヤ何でモ無い。片付けヲ手伝っテくれルだけで良イ。

それト、女がそんな事を言うナ! 僕は、お前になんカまるデ興味無かったから良かっタものノ、普通だったラ…………とにかク駄目ダ!」


本人としては落ち着いたように言ってるつもりの黒仮面だが、全く動揺を隠し切れてない。というかむしろ、動揺の度合いが上がっているような気さえする。現に黒仮面の顔は耳の先に至るまで真っ赤だ。湯気が見えるような錯覚さえするほどに真っ赤である。


「ははは、注意しとくよ。でも、どうしてそんなに真っ赤なんだい? ボクはちょっと謝っただけなんだけど……」


「ナ、何でも無い! それよりモ片付けするゾ片付けダ!」


二人は今現在、戦闘により破壊された部屋の片付け、もとい修理をしていた。

ちなみに実菜は、きっとまた申し訳なさでいっぱいになると判断した夢音があらかじめ上手い事、移動させたためにここには居ない。

辺りには瓦礫や機械の残骸、肉片や血痕が散らばっている。瓦礫はともかく、他の物は瞬のであろう。そして地面や壁はえぐれて、無数のクレーターを見る事が出来る。

おそらく、いや間違いなく魔術により部屋全体が強化されていなければマンションが崩壊していたであろうほどだった。


「……夢音」


片付けをしている最中、ようやく黒仮面は落ち着いたのか、夢音の名前を呼ぶ。


「なんだい? 黒仮面君」


「いヤ、片付けながラ今回の事のあらまシを纏めテおこうかト思ってナ」


「……本当にキミは真面目だね、ボクにはとても真似できないよ」


「お前ガ不真面目にモほどがあルだけダ……デ、今回の件ハ……」


「『空白の空間』における『何物かの』戦闘により空間が破壊され、特殊な魔術によって『空白の空間』に近い所となったこの部屋に漏れ出た魔力が溜まり、ここに住んでいた彼の力に当てられてしまった『幽霊』ちゃんが目覚めて起きた事……だよね」


「えらク簡単に纏めたナ……まァ確かニその通りダ」


そうして黒仮面は上の方に顔を向けた。

そこにあるのはただただ高い壁。天井は見えず、暗闇に包まれている。しかしそこには、『風』が吹いていた。


「『空白の空間』カ……」


黒い仮面をした男はぽつりと呟く。


「そうだね……普通ならば、『有り得ない』事。でも、ここなら……いやこの島『山上島』にはその『有り得ない』事が起きる」


「……そうだナ」


夢音の言葉に黒仮面は同意する。


「この島には異常が溢れている」夢音の台詞とともに、ちょうど上方の風が吹きやんだ。


「そろそろかな。『彼』……鳥崎君が動き出すのも」


夢音の台詞は何の脈絡も無いようで実は繋がっている。


ザアァァ


次の瞬間、一旦止んだと思った風がまた吹きはじめた。

本当に更新遅れてすいませんっ! 次回からは日常編に戻ります……でも中編ネタはあるのに日常編のネタが無いという事態

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ