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18ページ目 春の遠足でバトル展開?〈後編〉

取り敢えずバトル展開は今回で終了ですが…春の遠足シリーズはまだ続きます!

それにしても更新ペースが遅れてるなぁ…それに文章も酷いし…………こ、これからは頑張ります!


〈旅人視点〉



「…驚いた」


俺はぽつりと呟く


「…よく醜い私を見てくれたわね」


目の前にいるのは……首を切られてもまだ生きて喋っている女……ここは一般的に見て、いわゆる『化け物』とでも表現するべきであろうか。

…とにかくそんな女が…俺の目の前にいる。その女の名前は『(まばたき』。この名前が本当の名前か偽名なのかは分からないが、多分実名であろう。

その首からの出血による血だらけのヒラヒラした服を着た胴体はその女の首を右手で抱えるようにして持っている。

当然、もう片方の手に持つのは奴の武器である大鎌だ


「醜いわね、私。本当に醜い………あんたも醜いと思うでしょ?私の事」


瞬が俺に尋ねてくる


「…さぁな。俺から言える言葉は何もない」


「…そう……………………………………ねぇ、死なない相手を殺す方法って知ってる?もし知ってるのだったら私を殺してくれない?」


「…すまない。俺はまだ死なない相手を殺す方法なんて知らないんだ」


「そうなの…………………………………………………………………………………………………………………………『不老不死』って何よりも醜いと思わない?」


瞬は…しばしの沈黙の後に唐突に、そう語り出した。


「私って、生まれた時から既に不老不死だったのよ。老いじゃなくて成長はしたけど。羨ましいと言われた事はあるわ、でもどこが羨ましいのか私は理解出来ないわ。不老不死なんて、ただただとても醜いだけよ。どんな事をしても死なないだなんて。命は儚い事に意味があるわ。儚いからこそ死ねる、死ぬ事が出来る。そして、その命が死ぬ瞬間こそ最も美しい。

だから私は殺す。醜い私を見られないために。そして一瞬で散らせて美しく終わらせてあげるために……

今私が所属している組織は利用しているだけよ、私が死ぬ方法を探すためにね」


「…こちらとしては、そちらの事情はともかく、はっきり言うと厄介極まりない話だな…………あと、組織とは何だ?」


「あぁ、まだ話して無かったわね。まぁ…面倒くさいけど……上からは『神界にも魔界にも人間界でも無い、全く違う異次元に存在する組織』…って言うように言われたわ」


「そうか………………ところで、お前はこれからどうするつもりなんだ…?

…帰るのか?それともまだ戦うつもりか?

俺としては帰って欲しいのだがな…」


「うーん…そうね…じゃあまだ戦うことにするわ。私について語って動揺させる作戦は少しも効かなかったけど」


「…………」


俺は無言で大剣を構え直し、奴は手に持った首を本来あるべき場所に戻す。どうやら再度、首と胴体が繋がったみたいだ


「…………そんな大剣で……居合い切りね…」俺がした構え、それは日本剣術で言う居合い切りの構えだ。またの名を抜刀術。ただし、鞘は存在しない


「…勝負はお前の美学の通りに一瞬でつける」


「一瞬…ね…そうよ。それが私の求めていた勝負……これで私が負けたら大人しく引き下がる事にするわ」


奴は大鎌を頭上に上げて、高速で回し始める

俺はじっと身構え、奴の動きは瞬き一つせずに見すえる


「…封印されし数々の亡霊よ…今その怨念を力へと変えよ」


奴は鎌を回しつつ、呟くような感じで何か呪文を唱える。すると、その巨大な鎌は強大なる怨念の邪気を放つ。

なるほど…奴が今まで殺した奴らの怨念があの鎌の中に結集されてるのか……!

奴は鎌を大きく振り上げ、こちらへと駆けてくる。


「首狩りの極刑(ネックハント・ペナルティ!!!」


「……流剣術居合い一式、始来(しらい


奴からはただただ非常に純粋なる負のエネルギーの塊を纏う鎌が振りきられ、俺がする技は古流日本剣術の居合い切り……本来ならばとても俺の武器である大剣とは合わない技。しかし、力づくで無理やり振り切る!


「…………」


「…………」


俺と奴の立ち位置が入れ替わる。交差する


ブバシャア


刹那、俺の服が赤く染まる


「………………………………………………………………………………………………………私の負け…ね…………………………………………………………くっ!」


…………奴の腹から吹き出た返り血で



〈鈴音視点〉



俺たちの目の前には、赤いウェーブがかった髪をした中性的…ボーイッシュっつうんだったっけ?とにかくそんな顔をした女…式常夢音がいた


「えぇっと奇遇ですね。夢音さん。あ、特に警戒してる訳じゃあありませんよ。何せあまりにも突然だったので」


俺は動揺を隠しつつ丁寧に落ち着いて返答する。

しかし今の台詞は正直、半々くらいの割合で嘘っぱちだ。確かに夢音については不思議に思ってるだけで、警戒してる訳じゃあ無い。

それなのに俺がなんでこんなに動揺しているのか、理由は簡単………さっきの俺と武士子の会話が聞かれなかったかどうか心配だからだ!

へ?聞かれても信じられないから問題無い?

いや、違う!そういう意味じゃねぇ!あいつらはダチだからいいんだ。でも、こんな他に誰もいない所で今みたいな異世界とか話していたら、電波系以外の何もんでもねぇ!主に俺の近所での評判が危なくなる。ご近所付き合いは大事だし噂ってマジで怖ぇんだぞコノヤロー!


「あぁ、そうだったんだ。それにしてもボクは君たちがここで何をしていたか気になるね」


それは聞かないでくれぇ!そっちが俺たちの会話を聞いて無かったみたいなのは幸いだけど、その事を聞かれたんじゃあどうしようにも無い


「えぇと、登山をしてたッスよ!」


「へぇー。そうなんだ」


おぉ!武士子がナイスフォローしてくれた!

…でもまぁ多分フォローとかそんな事は考えてねぇと思うけどな。


「じゃあ…そこの木で横たわってる人たちはどうしたのかな?」


夢音が見た方向。そこには先ほどから気絶してて、俺たちがここまで運んで寝かせといた凛歌たちが……………………………………………………………………………………………………………緊急自体(エマージェンシーだ!

どどど、どうすれば良いんだ!?流石にこれは誤魔化せねぇ!しかも事情を話したら電波系だということで、それはそれでやべぇ!

……………………………………………………………打つ手がまるで思いつかねぇ。考えろ!考えるんだ俺!こういう時にだけは馬鹿な自分を恨めしく思う

こうなったらしゃくだが武士子に期待するしかねぇ


「………………………………………………………全員。春の眠気にやられたッスよっ!」


武士子はちょっと考えた後、こんな事をほざく

…いや武士子。流石にそれは無いだろ!?それじゃあ絶対に誤魔化せねぇ!

それとも武士子。お前の居た異世界では一度にほぼ全員が春の眠気にやられるのか!?


「あぁ、そうなんだ。なるほどね」


って誤魔化せたっ!?誤魔化せちゃったのか!?何でだよ!?何で疑問を抱かないんだよ!?

……まぁ、いくら心でツッコんでも無駄だし、今はこの機に乗ろう。取り敢えずこの会話の流れをずらす。まずはそれからだ。


「ところで式常さんは何でこの山に?普通に登山ですか?」


「ははっ。そうだよ。ちょっと学校の遠足でね、寝坊して遅れちゃったよ」


寝坊…か…どうりで一人な訳だ………………………………………………………………学校の遠足?


「えぇと、もしかしたら学校って…」


「桜道高校だよ」


へぇー…桜道高校ねぇ…確かソレって確かなんかムカつく理事長がいる………………………………………………ん?


「ってえぇ!?俺たちと同じ高校ですよ!」


「え?そうだったんだ。じゃあボクの名前は呼び捨てで良いよ。煩わしいし。頼むよ鈴音君。それじゃあボクは…………行くから」


「あ、ちょっと待って下……っ!?」


ガシッ


すると、突然夢音は俺の首を素手で……捕らえた。

く、何だよこのあんまりにもいきなりな急展開………

かなりキツく、俺の首に夢音の指が食い込んでる……く、苦しい…声が出せねぇ


「…………さて、茶番もこの程度がちょうど良いかな」


夢音が言う。茶番って一体何だよ!?

ってか武士子は一体どうしたんだよ!?この場に居るはずだろ!?


「………………………………………………………………記憶改変(メモリーチェンジ


そう、俺の意識が途絶える前に聞こえたような気がする

突然の急展開!

というわけでは無いです…

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