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15ページ目 遠足の始まりは戦いの始まりと共に…

うぅ、更新遅れ気味だ…

「ふあぁぁ…眠ぃ…」


「鈴音。今日は遠足だよ!?そんなにテンション低くていいの?」


「遠足なんてもん一体何の利点があるんだよ…授業中だったら幾らでも寝れるのによぉ……」


「えぇと、遠足の利点は例えば………………………………………………………………………………………………………………………………授業が無くなるとか…他には授業が無くなるとか、授業が無くなるとか…かな?」


「って授業が無くなるくらいしか利点は無いのか!?」


「他にもあるよ!クラス内での交流を深めるとか…」


「いや、そっちの方を先に言えよ!?」


「相変わらずお前らは見事な漫才コンビだな」


「聖鳴…俺は好きでツッコんでんじゃねぇ!」


と言うわけで、今俺たちは第一学年、春の遠足の最中です。

遠足かぁ…中一の時以来だなぁ…それ以外は小学校の時も含めて一切、遠足になんかに来てなかったような気がする。

おっと、説明しないとな。今俺たちはいつものメンバー集まって一緒に歩いている最中。基本歩く順番もクラスも関係無しで、皆で好き勝手にグループを作って歩いている。

俺たちの学校…桜道高校は基本的に生徒の自主性を尊重する…と言う名目の完全な放任主義だ。さらに先生どもでさえ非常に自由奔放。リズミアがその例だ…本当に大丈夫か?この高校。まぁあの理事長のせいもあるんだろうこどなぁ…

おっと、話がそれちまった。遠足の行き先は山。要するにハイキングだ。

ここの山は『左野山(あてらのやま』とか言う名前の、安直に付けられた漢字に適当な当て字をしたような山だ。

左にあるから『左野山』ってマジで安直なネーミングだよな?責任者には出てきて欲しい。そして改正を要求する

でも『あてらのやま』って…絶対初見でこう読む人はいないと思う。居たら神だ。俺はその人を尊敬して崇める!そして祭壇に生きながらにして(たてまつ


「いや、それって人柱なんじゃ無いですか?」


「って武士子にツッコまれただとぅ!?」


終わりだ!

まさかの一番のボケキャラに心の中をツッコまれるなんて…そんな馬鹿な!あり得ねぇ!俺はもう色々と終わりだぁ!


「なんか軽く酷い事を言われたような気がするッス…」


「てか何でお前は俺の心が分かる!?」


「野生の勘!」


いや、そんなVサインしつつ自信満々に言われても……それに野生の勘っておいおい…どう対応すればいいのやら


「鈴音…お前は武士子ちゃんとも漫才コンビが組めたのか…」


「いや、さっきから言ってるけど、漫才コンビじゃねぇ!」


「んな嘘っぱち、ウチは信じないで!鈴音はウチと響とで漫才トリオを組むんや!」


「って魅麗いぃ!?それこそ嘘だよな?」


「どうやら事実らしいよ」

「響、お前までもかっ!?一体俺に選択肢は無いのか!?」


「無い」


「そうですかー無いですかーって、リズミアてめぇ!教師の癖に生徒の自由を侵害するなあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「さて、何の話でしょうかね?」


「しらばっくれるつもりか!」


「無理だよ、鈴音。リズミア先生に鈴音が口で勝てるはず無いよ」


「凛歌…無理でも挑戦する。それが男だぁ!」


「そんな女みたいな顔してか?」


「リズミアてめぇ!お前こそもがぁっ!」


俺が反論しようと思ったら口に何か黒い物を突っ込まれた。くそっ!何だよこれは?

俺は口から取り出して確認する…と


「恵方巻き?」


そう、それは恵方巻きだった。紛れも無く恵方巻きだった。本来なら節分の日に、とある方向を向いて食べるはずの恵方巻きだった


「何故に恵方巻き!?」


「あぁ!?鈴音!恵方巻きを食べてる最中に喋ったら駄目なんだよ!?」


「いや、凛歌。一つ言っておくけど。これはそういう問題じゃ無いだろ!?

恵方巻きが何で今、ここにあったのか聞きたいんだよ!」


「…へ?節分じゃないのに恵方巻き食べてちゃいけないんですか?」


「武士子、お前かぁ!!!」


前々から気になっていた武士子の背負っている、おびただしい大きさのリュックの中身がちらほらと見える。中にあるのは…大量の弁当。水筒。お握り。乾物。お菓子等々の品だった…はっきり言おう。どんだけの量なんだよ!?もはや怖い!

でもこれで納得した……確かにこれだけの品物があるんだったら恵方巻きが一つや二つ有っても不自然ではないよなぁ…


「ほ、ほな話を変えるで。これ以上話とっても武士子の食べ物の件も含めて何の解決にもならへん!」


「…あれ?そういえば旅人はどこ?」


「…へ?」


響の言葉に反応する。確かに辺りを見渡してみても旅人の姿は無い。名前も分からない女の子たちがさっきから『旅人様どこー?』とかと言う事をほざいてる

…………今気付いたんだけど、そういえば山を登っている最中に旅人の台詞を一言も聞いてない……!


「ま、まさか……」


「リズミア先生。何か知っていますか?まさか旅人は実は方向オンチとか…」


ぶっちゃけ旅人が方向オンチとかあり得ないよな?


「いや、それは違う。本当は……………………………………………………………………………………アイツは長年旅をしている間に、敵や猛獣に襲われないために、山道とかでは道無き道を行く習性があってな…」


「アイツ、馬鹿だぁっ!」


ふおっと!?つい口から心無い一言が飛び出してしまった。そんな事は無い。俺は心清らかな優しい人間のはずだ!

それにしても道無き道を行くってどうゆうこと?周りに抗ってまでアイツは道無き道を行くのか!?一人残らず道有る道を行ってるだろ!?それなのに一人だけ道無き道を行くとは…それに敵ならまだ分かるけど、猛獣に襲われないためって…そっちの方が危険だろ!?

やっぱ旅人は馬……っとまた心にも無い言葉を言っちまう所だった


「鈴音…きっと大丈夫だ。お前を越える馬鹿なんて日本中捜しても居ねぇよ。良かったな鈴音、お前が日本一だ」


「聖鳴…それは俺を貶しているのか?称賛しているのか?」


「当然貶してんに決まってるだろ。やっぱり馬鹿……ってちょっと待てぇ!その体勢は何だ?チョークスリーパーか!?

ってむぐぅ!」


「お見事。流石聖鳴、正解です。さて、賞品としては…温泉へのチケットです。そう三途の温泉へのなぁ!」


尚一層強く首を絞めてやる。理由なんて極単純にして明解。ムカついたから。


「ぐぐぐぐぐ…………………ぐがぁ……………………………………………がくっ…」


あ、落ちた


「さぁそんな茶番劇をしてないで、とっとと旅人を捜そうか」


「リズミア先生!人が目の前で死にかけたのに茶番劇は酷いぜ!?」


「ちっ、生きてたか」


「……………俺って何かそこまで酷い事をしたのか!?教えて下さい!」


聖鳴が何処かに消えて行った。多分、女の子に涙を見られたく無かったんだろう


「…さてと、とりあえず旅人を捜すにしても…多人数で探しに行ってまた迷子が増えたら洒落にならない。

そして旅人が居ない事を他の生徒達に知られたら………………旅人様ファンクラブとかが下手に捜しかねない。だからメンバーを厳選する

とりあえず旅人が居ない事をはっきりと知っているのは

……鈴音、凛歌、魅麗、響、武士子、それに自分のみだ。よってこの面子で捜しに行く事にする。分かったか?」


「えぇ、分かりました」


一段落着いた所でリズミアがこんな事を言い出したから適当に返しておく。

ちなみにリズミアの台詞は、見た感じ今名前を挙げられた面子以外は聞いていない

…ちなみにリズミア先生の本来の口調は既にクラス内では知れ渡ってる。まぁ女だと言う事は知られて無いんだけどな


「よし、決定だ。とりあえず他の生徒達は先に行かせておくから、そこで待っといてくれ」


そしてリズミアは向こうの方に向かって行った


〈旅人視点〉


「…ここの空気は美味いな」


俺はふと呟く。今はなんというか…道から大きく外れたところにある、崖の真ん前で眼前に広がる海と町の景色を見ながら大きく深呼吸をしていた。


「やはりハンバーガーは最高だな」


懐から出した、ちょうどこの場で食べる8個目のハンバーガーを食べながら景色を楽しむ。

…………この世界も随分と変わったものだ。上から見渡すと、改めてそれが分かる。所狭しと建物が並び、非常に規則正しい道が並んでいる。人々の往来も激しく、ほとんどの者は急いでいるようだ…

前来た時は非常に開放的な自由感が溢れていたが、社会福祉人が行き届かず、人はよく死んでいた。

今現在は非常に規則的…みんな何かに捕らわれているような感覚だ。しかし社会福祉は発達し、人が寿命を迎えずして死ぬ事は少ない

しかし、決定的に違うのは『人の気力』だ。昔は何がなんでも生きてやろうという気が満ち溢れていた

…やはり時代ははるかに変わったと、そう俺は感傷に浸ろうとする…


「最後に見る風景は楽しみなさいね。今、殺るから」


「!」


その瞬間、何者かの鎌と俺の大剣との間に火花が飛び散った


「…やっぱりしつこく醜く生きてるくせに、強いわね」

「…またお前か。いきなり背後から首を狙ってくるとはな…」



俺は首にかけられようとした鎌を、その間に入れた大剣で薙ぎ払い後ろを振り向く


「だって一瞬で殺ったほうがより綺麗に散ってくれるじゃない」


そこに居たのは、巨大な鎌を手に持った女、オレンジ色の帽子を深く被っていて、ヒラヒラした服を着ている。顔は深く被った帽子のせいで良く見えない

…………先日、ハンバーガーショップで対峙した女だ


「さぁ、今回は前みたいにいかないわよ」


「…そうか、だったらこっちも本気で行こう」


俺は大剣を持っていない方の手にあるハンバーガーを一気にほうばりこむと、戦闘体制に入った


「さぁ、美しく散りなさい」


その女の言葉は戦闘の合図となった


***


「くんくん…んー…」


「武士子。どうしたんだ?」


俺は武士子に尋ねる

ちなみに今俺たちは集団で固まって旅人を捜している。リズミアによると、個別個別で行動すると危険だそうだ


「へ?えぇっと…なんと言うべきか分かんないッスけど、最初に山に入った時とは違うおかしな匂いがするッスよ。

ほら私って鼻が効くッスから!」


「本当にお前は野性的だな!?」


「くんくん…あ、向こうから何かが来るッスよ!」


「ってスルーすんなよ!」


く、見事にスルーされた…ここまで見事だと虚しい…いや、むしろ恥ずかしい…

っととりあえず俺は武士子が指を差した方を見る

すると、がさがさと茂みのほうから、何かが出てくる。旅人か?だったらいいなぁ、そうすればこんな探索部隊もとっとと終わる


「グルルルル…」


「…へ?」


何だ?今の鳴き声。少なくとも旅人じゃあないよなぁ?

そして俺は目を凝らして良く見る

するとそこに居たのは旅人でも…人間ですらもなく


「グルルルル…グガアァッ!」


「熊だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」


俺たちはほぼ全員が絶叫した


「おかしい…この山に猛獣はいないはずだ…」


そんな中、リズミアはこう呟いた

ということで次回はバトル展開になる…はずです!宜しくお願いします

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