14ページ目 カオスな日常。そして立ち込める暗雲…
うーん、今回の話は色々と納得のいかない……どうか見捨てないで下さいまし!
うーん…昨日の女の子は一体何だったんだろう?俺は考える。思念する。
昨日会った女の子…確か夢音とか名乗ってたっけ。彼女からは不思議な何かを感じた…うーん、何だろうか?まるで向こうは俺のことを観察してるような…もしかしたら修行時代に起因しているのか?それとも中学時代か…
っとまぁ考えても結論が出るわけ無いか…
「ぐぎゃああぁぁぁ!!!」
「…昨日のメルモフを捕まえてくれた恨み…晴らしてくれよう」
「怒った旅人様も素敵!」
「ちょっと待てぇ!
旅人!お前がそんなに暴力的だなんて俺は今まで知らなかったぜ!?」
「さ、逆さ吊りって…い、一体いきなり何があったんだい?」
「登校早々にシュールな光景やな…」
「うーん、美味しいッスね!このハンバーガー」
「ふおっ!武士子。あんた相変わらず食べ過ぎやで!?」
「そうそう、ハンバーガーだけじゃ健康に悪いよ?」
「そういう問題ちゃうやろ響!?
それ以前にそのハンバーガーはどっから持って来たんや!?」
「あ、私も一ついただこ…」
「いいっスよ!」
「ますますシュール…というかカオスな光景だ…」
いきなり絶叫が響き渡ったと思ったら、リズミア先生の言った通りに教室の中ではとってもシュールっつーかカオスな光景が展開されていた。
まず女の子たちに囲まれてキャーキャー言われている、殺気全開フルオープンな旅人
教室の中央で旅人に逆さ吊りにされてギャーギャーうるさい聖鳴
大量のハンバーガーに囲まれつつ、目の前にはシュールな光景が展開中にも関わらずいつもの様にハンバーガーを食べ続ける武士子
それに便乗して隣でハンバーガーをつまんでいる凛歌
ハリセンを持っていつのまにやら漫才を繰り広げている響と魅麗
その様子を第三者視点で見守る俺
止める気が一切無い担任教師、リズミア
うん、カオスだ。カオス以外の何者でもない……って
「止めて下さいよ!?リズミア先生!」
「面白そうだから断る」
「いや面白く無いとか面白いとか以前にあんた教師だよな!?あんな殺人事件が現在進行形で起きているんだから止めろよ!?」
「あー警察に任せれば何とかなる」
「警察が到着前に死にますよ!?」
「大丈夫。自分に責任は無い」
「それでも貴方は教師ですか!?」
「これが自分の教育方針だ!」
「どんな教育方針だぁ!?」
ヤバい。コイツ…完全に面白がってる。
どうすりゃいいんだ?畜生!
……………まぁいいか。どっち道聖鳴だし、その内ひょろりと復活しているだろう
おっと、聖鳴に酷いなんて言葉は通用しねぇ。もう既に俺の頭には聖鳴=変態=生命力虫けら並の方式が成り立ってるし。その内これが世界の常識になるだろう
「鈴音!そんな所で傍観してないで助けてくれ!
今回はマジで死にそうな予感がする!!!」
「あー何だか幻聴が聞こえるなー」
「ってスルーするなよ!?この男女ぁ!」
……あれ?今聖鳴の言った台詞は何だ?男女?
女男ならまだしも男女?それって俺が『女みたいな男』では無く『『男みたいな女』だって言ってんのかよ?
「って俺は男だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「へ?そうだったのか?鈴音ちゃん?」
やっぱ確信犯か!
こんな探さ吊りにされた状態でもジョークを忘れないとは…流石聖鳴
…………………………………………………………………………………ヨシ殺ス
セイメイト言ウ名ノゴミ虫はコノ世カラ抹消スル
「さぁて、どんな拷問が良いんだ?このドM野郎」
「いきなり一変して、その言いぐさは酷いと思うぜ!?鈴音。
あとその手に持っている裁縫針を旅人に渡してどうする気だ!?」
「………どんなプレイが良いんだ?」
「…出来れば放置プレイでお願いします
ってギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!目がぁ!俺の眼球があぁぁぁぁぁ!!!」
「…メルモフを捕まえた罪はこの程度では全然すまんぞ…」
「旅人。もっと殺ってくれ」
「…任せろ」
「理不尽だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その後、聖鳴と言う名前だった肉片が辺りに飛び散った
あー、処理がめんどくさそうだ
「えーどうやら終わったみたいなんで、遠足の説明を開始する」
っとまぁ色々と考えてるうちにリズミアが遠足の説明を始めやがった
…最低限の仕事はするんだなコノ野郎は。さっきは止めなかったくせに
それにしても遠足かぁ…しばらくその存在自体を忘れてたな…
***
「春の遠足…かぁ」
ここは学校の屋上。
そこにある、安全対策のためのフェンス…の上に女が一人、颯爽と立っていた。
制服を着ている事を見ると…どうやらこの学校の生徒らしい。
下手すれば、間違いなく命を落とす。しかし、彼女はゆったりと自然体で平然と屋上のフェンスの上に立たずんでいた。しかも顔には、微妙な笑みが見える。恐怖心なんて一切感じて無いようだ
「ははっ、ボクが遠足だなんて初めてだよ」
一人言…にしては声が大きい。しかも、誰かに話しかけているようだ
……っと彼女がそこまで言い終えた後に、どこからともなく……男が現れた。
その男は黒と白のモノクロのマント…でその身体を覆い隠している。
白い単髪をし、顔の右半分は普通の…どっちかと言うと良い方の顔つきをしている。そして、その顔の左半分は黒のまるで人を嘲笑しているようなデザインのなされた仮面を被っていた。
「それは良かったナ。まぁ君が学校に行くだなんて驚いたけド、こうも簡単に入学出来るとは思わなかっタ」
男はゆっくりと言う
「ははっ、高校と言うのは試験をクリアさえすれば簡単に入れるものだよ」
「そうなのカ…?
…で、僕をここに呼びゆせた要件はなんダ?早急に答えロ」
「あぁ、言うのを忘れてたね…………ボクの部下を一人か二人、呼んできて欲しいんだ。出来れば春の遠足に間に合うように」
「そうカ?よし分かっタ、任せてオケ」
「あぁ、頼むよ。
遠足で面白いことになりそうだからさ」
「全ク…お前は明らかに楽しんでるナ?」
「あぁ、楽しんでるさ。だって一生に一度しかない学園生活だもんね」
「…そうカ。まぁこちらとしてモ最終的にきちんと殺りさえすればどうでも良いしナ…………」
「じゃあ期待してるよ」
「そんな事で期待されても困ル…まぁ、出来るだけ頑張っておくヨ。夢音」
そして、男は音も立てずに煙と化して消えていった……
はい、今回の話は一言で言うなら繋ぎの話ですね。はい
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