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【WEB版】錬成師アリアは今日も頑張ります ~妹に成果を横取りされた錬成師の幸せなセカンドライフ~【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第二章

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40.助手くんになるそうです

「というわけで! 今日からお世話になりますっ!」

「――え?」


 何の脈絡もなく紹介されたのは、公爵様と一緒にいたフサキ君だった。

 ユレン君とヒスイさんが一緒にアトリエを訪れて、紹介したい人がいるという話題から、彼がずどんと登場したわけだけど。


「これからよろしくお願いします! 姉さん!」


 無邪気な笑顔を見せるフサキ君。

 キラキラな瞳で見られると、無性に抱きしめたい衝動にかられる。

 イリーナちゃんもそうだけど、この年の子供はなんでこんなにも可愛いのかな?

 私は湧き上がる衝動を抑えてユレン君に尋ねる。


「えっと……どういうこと?」

「うーっとだな~ こいつが例の件に関わってたのは知ってるだろ?」

「うん」


 廊下でも話したけど、彼がナイフを使って私に手紙を差し出していた。

 公爵様の命令らしいけど、フサキ君は自分が勝手にやったと主張している。

 という話もすでに聞いている。


「実害はなかったとはいえ、こいつがやったことは事実だ。それで公爵と話してな? フサキの身柄はこっちで預かることになったんだ」

「そうなんだ」

「ああ。で、色々と考えたんだが……」

「オレが姉さんの助手兼護衛役になることが決定しました!」


 フサキ君はキリっと背筋を伸ばして敬礼した。

 

 助手?

 護衛役?


「私の?」

「そうだ。以前から検討していてな。ちょうどいい人材だから雇うことにした」

「ん、ん?」


 理解できなくてキョトンとした顔になる。

 フサキ君を助手にすることはわかったけど、その経緯がよくわからなかった。

 なんだか複雑な事情もありそうな予感がする。


「まぁともかく、こいつを助手にしたい。もちろんアリアが嫌なら断ってくれても良いぞ」

「断らないでください姉さん! 断られたらオレ行くとこなくなるんですよ!」


 フサキ君は小動物のようなつぶらな瞳で私に閉まる。

 物欲しそうな顔をされたら断れない。


「べ、別に嫌じゃないので」

「良かったー! 姉さんの助手としてしっかり働きますね!」

 

 フサキ君はピシッと敬礼して見せる。

 そこにちょうど扉が開き、用事から戻ったイリーナちゃんが顔を出す。


「ただいま戻りました」

「お帰りなさい、イリーナちゃん」

「あれ? お兄さまたちもいらしてたんですか?」

「おう。ちょっと用事があってな」


 イリーナちゃんの視線がフサキ君に向く。


「フサ君?」

「ひっさしぶりだね~ 姫様」

「やっぱりフサ君だ! 久しぶりだねー!」


 イリーナちゃんは飼い主を見つけたワンコのように走り出し、フサキ君の元へ近寄った。

 彼の手を握ってぶんぶんと上下に振る。


「ちょっ、あんまはしゃいだら危ないよ」

「会えて嬉しいよフサ君! 最近全然遊びに来てくれなかったから~」


 二人は親し気に話している。

 その様子を見ながら、ユレン君が小声で教えてくれた。


「フサキは元々、病気と闘っている間のイリーナの護衛をしていたんだ」

「そうなの?」

「ああ。護衛というか話し相手かな? 公爵が気を利かせてな。イリーナと歳の近いあいつを護衛にして、出入りを許可してたんだ。外に出られないイリーナに、外の話をしてやれって」

「公爵様が……」


 ユレン君だけじゃなくて、イリーナちゃんのことも気遣ってくれていたんだ。

 とても優しい方だな。


「まっ、あいつには感謝してるけど、アリアにナイフを向けたのも事実! しっかりこき使っていいからな?」

「あははははっ~」

「あっれ? そんなこと言っても駄目ですよ殿下! 姉さんは優しい人なんで、オレをこき使うとかできな、痛い痛い痛い!」


 ユレン君がフサキ君の頭をぐりぐりやっている。

 見るからに痛そう。


「痛いですよ殿下!」

「うるさい少しは反省しろ! お前がやったことはちゃんと覚えているんだからな? しっかり貢献して償え」

「わかってますよ! ちゃんと仕事はするんで!」

「お兄さまとフサ君も仲良しですね~」


 賑やかになるアトリエ。

 最近はこんな時間も減っていたから嬉しい。

 すると、後ろにいたヒスイさんが前へ歩き、私の隣に立った。


「フサキはあんなだし子供だが、腕は一流だ。危険から守ってくれるから安心してほしい」

「はい」

「それとすまなかったな。今回は助けてやれなくて」

「いえそんな。相談に乗って頂いただけでも嬉しかったです」


 ヒスイさんに相談したお陰で、不安な気持ちが落ち着いたのは本当だ。

 だから凄く感謝している。

 そこへぐりぐりをやめたユレン君がやってきて。


「ちょっとは怒って良いぞ? こいつ、途中から知ってて放置してたから」

「え? そうなんですか?」

「実はな。フサキが関わってるのは知ってた。でも仕方がないだろ? 俺にも立場があったし、あいつに傷つける意思もなかったみたいだし、元が公爵の差し金だったから動くに動けなかったんだよ」

「あ、それで……」


 全然音沙汰がないと思ったら。

 ヒスイさんも裏で苦労していたみたいだ。


「わかったか? だから今後は俺に相談するんだぞ?」

「いや先にこっちに報告してくれ。ユレンに伝えてからだとこいつが先走るから」

「先走らないだろ! 俺は慎重派だ!」

「どこがだ? 今回だって彼女から相談された後、公爵に文句言いにいく勢いだった癖に」


 そ、そうだったの?


「俺が止めなきゃ行ってただろ?」

「それは……わからんが」

「ほらな? そういうわけだから頼むよ。と言っても、基本は君の好きにすれば良いさ」

「そうだな。まぁ一先ず、何かあれば誰かを頼れ。一人で考え込むなよ?」

「うん」


 こうして慌ただしい日々が終わり、また新しい日常が始まる。

 

第二章中盤(公爵編?)はこれにて一区切りとなります!

明日からは第二章後半が開始されますが、果たしてどんな波乱が待っているのか?

楽しみに待っていてください!


それと何度もお願いしてしまい恐縮ですが、この辺りで一旦ページ下部の☆☆☆☆☆から評価をして頂けると嬉しいです。

現時点での評価で構いません。

少しでもこの先が気になる、読みたいという方はぜひともよろしくお願いいたします。

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