表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】錬成師アリアは今日も頑張ります ~妹に成果を横取りされた錬成師の幸せなセカンドライフ~【コミカライズ】  作者: 日之影ソラ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/84

閑話 もう一人の末路(ざまぁ補足)

すみません投稿ミスがあったので再掲しています。

第一章部分の補填です。

 ラウルスが二人の策略に嵌り、自身の罪を国王の前で暴露している頃。

 もう一人の共犯者は研究室でうなされていた。


「終わらない……何なのよ本当っ!」


 バンッとテーブルを叩き、置かれた書類の山が崩れる。

 自分でやったことに腹をたて、残っている書類を腕で薙ぎ払いまき散らかす。


「やってられないわ! こんなの一人が任される量じゃない。これに耐えられる人なんて――」


 本物の天才だけだ。

 そう思った時、彼女の脳裏には姉の姿が浮かんでしまった。

 悔しさに唇をかむ。

 彼女が姉を嫌う一番の理由、それは嫉妬だった。

 気付いていたのだ。

 同じ錬成師だからこそ、姉の規格外の才能に。

 それに見合っただけの努力を、日々積み重ねていたことに。

 そうして気付いた時には大きな差が出来ていた。

 生まれた時間は関係ない。

 才能と努力。

 どちらも劣っている自分では、姉の代わりは務まらない。

 

「何なのよ……いなくなっても邪魔するの?」


 実感してしまったことで、彼女の中の劣等感は膨れ上がる。

 すでに気付いているかもしれないが、彼女は過去の過ちを忘れている。

 その場の勢いで、姉への仕返しで。

 自分の劣等感を慰めるためだけに、人の死に関与したことを。


「失礼する! 宮廷錬成師セリカ・ローレンス」

「え? な、なんでしょう?」


 つけの回収が遅れてやってきた。

 彼女の研究室には険しい表情をした騎士たちが入り込んでくる。

 三人の騎士のうち二人が、セリカの左右に立つ。


「貴女には第一王子暗殺に関与した疑いがかけられている! 真偽を陛下の元で語っていただきたい」

「え、え?」


 ここでようやく思い出す。

 自分の罪を。

 

「ま、待ってください!」

「ご同行願おう。すでに陛下と、元第二王子がお待ちだ」

「元?」

「そうだ」


 彼女の理解が追いつかない。

 それも仕方がないだろう。

 誰も予想していなかったはずだ。

 第二王子が肉親を暗殺したことも、ボロを出すことすら。

 何もわからないまま、二人の騎士に腕を掴まれ引っ張られる。

 

「早く来てください。弁明するなら早いほうが良い。もっとも、元第二王子が自白された時点で……貴女が重罪人であることは変わりませんが」

「そ、そんな……」

 

 彼女は抵抗する力を失う、なすがままに連れていかれる。

 因果応報。

 劣等感を補う方法に、姉を陥れる選択をとってしまった時点で、こうなる未来は確定していた。

 本当の天才で、愚直に努力し、成果を挙げた人こそ報われる。

 身をもって体感した彼女は、次こそ反省できるだろうか?

 もっとも、今世で期待するには……遅すぎた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作投稿してます! 下のURLをクリックしたら見られます

https://ncode.syosetu.com/n7004ie/

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

5/10発売予定です!
https://d2l33iqw5tfm1m.cloudfront.net/book_image/97845752462850000000/ISBN978-4-575-24628-5-main02.jpg?w=1000



5/19発売予定です!
https://m.media-amazon.com/images/I/71BgcZzmU6L.jpg
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ