第九話:佐々木と、屋上で。
いよいよ亀更新になってきました。
すみません><。
兵頭さんには、友達になろうと言われた。けど、友達ってお弁当一緒に食べるもんなんじゃないの?
違うのかな。でも、兵頭さんあの人たちとは食べてるし…。もしかして、あれって友達じゃないのかな?だとしたら、何なんだろう。私、兵頭さんが初めての女友達だから、分かんない。
友達って、何?
今日、兵頭さんとお弁当を食べようと思っておやつ持ってきた。けど…あの様子じゃあ、一緒に食べれないよね。いいや、一人で食べよう…。
そう思い、屋上へと足を向ける。今日は兵頭さんと食べると思っていたから、佐々木には「女友達と食べる」って言ってしまった。最初は驚いていた佐々木だったが、直ぐに微笑んで「良かったな」と言ってくれた。けど…ごめん、佐々木。どうやら、女友達というものは一緒にお弁当を食べたりはしないみたい。それとも、昨日なったばかりだからかな?
屋上の扉を開く。そこには、一つの人影があった。誰だろう、なんて考える必要もない。
「佐々木……」
佐々木は屋上で仰向けになって寝ていた。近づいてみると、中々綺麗な顔が覗えた。私は佐々木の傍に腰をおろした。佐々木が起きる気配はない。まぁ、いいや。このまま、一緒に寝よう…。
私は、座ったまま眠りについた。
*
「………うわっ、やべぇ!寝過ごした!?授業は!?てか、外暗い!今何時…」
ふと視線を下ろすと、丸くなって寝ている右京の姿があった。途端に顔が真っ赤になる。
なんでいるんだよ!?てか、寝顔かわい…じゃなくて!
「起きろって!おい、右京!起きなきゃ、…えーと、その。なんかするぞ!」
なんかって何なんだ、と自分でも思いつつ。とにかく右京を起こそうと必死だった。
「う…ん。…は?佐々木?」
「右京!起きた?」
「起きた?て…なんで佐々木がいるわけ?」
「それはこっちのセリフだし!俺が昼寝してたところに来たのがお前じゃん?」
「あー…そぉだっけ?」
寝ぼけて、へらへらしている右京が可愛い。…気がする。
「って!それより、もう下校時刻過ぎてる気がするんだけど!」
「はぁ~?下校時刻?知らないよ…」
「知らないじゃなくてっ!やべーよ!目ぇ覚ませって…」
「うるさい…なっ!」
右京は、丸めていた体を起こした。そして、体をちぎれるほどに伸ばし、欠伸をした。
「…ふぁ。ねむ。早くかえろーよ」
「だから…帰れねぇんだって…」
「え?なんで?」
「下校時刻、過ぎてるから。屋上の鍵閉まってるだろ」
「えっ!うそ!」
「ホントだって」
右京は慌てて屋上のドアへ向かい、手をかけた。しかし、ドアはガンガンと音をたてるだけだ。
「ふぇぇ…どうしよぉ…」
思わずドキ。そして、思わず抱きっ。
すると、右京はすっとんきょんな声を上げる。俺は、そんな右京さえも笑わずにただ抱きしめていた。
「右京…」
耳元で囁く。右京は一瞬体をビクつかせる。俺は、そんな右京の仕草に集中していた。
俺の頭の中は、右京で埋め尽くされている。
今、俺の理性をぶち壊そうとしている一番の原因といえば、胸板に感じる柔らかい感触である。そこから、右京の鼓動が直で伝わってきて…それに、右京の胸に圧迫されてる感があって…俺の理性は壊れそうである。
「さ…さき?何?どうしたの?」
右京は、無意識かもしれない。けど、それも罪だということを自覚してほしい。
その右京の可愛い声が俺の耳を刺激して…
ついに、俺の理性を壊した。
「きゃっ!?」
抱きしめたまま、強引に地面に押し倒した。けど、右京の背中が痛くないように…そっと、俺の腕がクッションになるようにした。右京は驚いていた。当たり前か。けど、そんなことは俺には関係ない。
「お前が悪いんだからな…」
そして、俺は右京の唇に自分のものを重ねた。
「んぅ…」
右京からは、なんとも色っぽい声。ゆっくりと唇を離すと、頬を紅く染めた右京の顔があった。
「な…に、するの?」
ごめん。まじでごめん。
けど、もう無理なんだ。
「好きなんだよ。右京が。我慢しなきゃ、って思ってたのに…」
はぁ、と溜息をひとつつく。それだけで体を震わせる右京。
うさぎ?可愛い。
「お前が可愛いから悪いんだ」