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刹那の時。  作者: RYUN
2/12

第二話:保健室で。


…………………。


「ん…」


ここは、どこだろう。

視界に広がるのは、白。

白色の景色…。


「大丈夫ー?気絶してたみたいだけど。」


この声…

皆沢先生じゃない。


保健室の先生。…緑川(みどりかわ)先生。


この先生も、イケメン。女子生徒に人気のある先生。

私は、タイプじゃないけど。だってこの先生、無駄に色気だしててもうわざととしかおもえな…


「色気は元々だよ。別に、わざと色気出してるわけじゃないよ?」


…私は、どこから口に出していたのだろう。

クスクスと笑う緑川先生は、私のいるベッドに腰掛けた。


接近しすぎ。

こんなの、皆沢先生にやられたら私…


「ごめんね、皆沢先生じゃなくって。でも、失礼だねー。こんなイケメンよりもあんな裏表ありそーな人の方がいいなんて。」


ほら、やっぱり無駄。

この人が好きなわけじゃないけど、この人の香りとか、オーラに…


くらくらする。


「そんなに固まらなくても。別にとって喰おうなんて思っちゃいないよ」

「じゃあ、くっつかないで下さい」

「んー?何?」


意地悪そうに微笑む彼は、意地悪に囁く。


「…ねぇ、右京さんはさぁ。先生と生徒の恋愛って、アリだと思う?」


唐突な質問に、少し動揺する。

いや、いきなりなことに動揺したんじゃない。

今一番突っ込まれたくないことだからだ。


てゆうか、どうしてこの人はこんなことを聞くの?



「私は…アリだと思います。」



実際、今の私の好きな人は皆沢先生だしね。



「そうだろうね。だって右京さん、皆沢先生のこと好きなんだもんね?」

「えっ…なんで知ってるんですか!」


先生は、馬鹿にしたように私を見た。


「だって…態度でバレバレだよ。それに、俺よりも皆沢先生の方がいいなんて言っちゃってさ…」

「う…」

「ほんっと、むかつくよね。」


先生はそう言うと、私に返事をする時間も与えずに私に近づいていった。

―――っ、キスされる!


「……?」


思わずつぶった目をゆっくりと開けると、先生の顔が目の前にあった。

けど、唇は触れてなくて、ぎりぎりのところで止められていた。


しばらくすると、先生は私から離れた。

そして、何故か爆笑。


「ははははっ!何されると思ったの、右京さん!」

「な、何されるって…」

「ん?言ってみな?」


意地悪く言われて腹が立ち、私が寝ていたベッドにあった枕を先生の顔面に投げつけた。


「何にもないですっ!じゃあ、教室戻るんでっ。失礼しました!!」


勢いよくドアを開けて、勢いよくドアを閉めて教室へ向かって行った。


「…かわいいなぁ」


私が保健室を出てから、緑川先生にこんなことを言われてるなんて知る由もなかった。

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