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詩の呼吸
詩の源が静かな息をしている
私もそのように静かに息をする
すると詩が腹の中に入り込んできて
それからしんしんと
沁みわたってくる
しんしんとしてから
とある感覚が浮かび上がってくる
それはとてもよろこばしい感覚である
この感覚は詩なのだろうか…
この感覚も詩ということだろう…
今は建前や本音、あるいは良心という言葉は
ふさわしくない
この感覚が詩なのだろう
不思議なことに
光閃のように早く
もう、詩になれたとき
この詩の源や親のような存在も
共によろこんで下さっているよう
自分という命と同時に
もうひとつ、親のような源も
共によろこんで下さっているよう
私と詩の源は
あたかもはじめからひとつであったかのように
呼吸をしはじめる
この呼吸は私が産まれるまえからしていた呼吸
私は前世から
この詩の源と共に呼吸をしてきたのだろう
ながいながい
ひとつなる呼吸
ながいながい
ひとつなる呼吸