『おくりものは棚の影から』
猫の私だって願い事は叶うっ!
例え、車庫に停めてある車からだって!
だって目の前には
なんかの神様が居るからっ!
「あの~ 神様?」
「なんじゃね?」
やっぱり、アレですね?
神様って人間に近い形をしているけど
どこか違いますね~
特に、眼とかっ!
あまり見つめると、こっちが石化してしまいそうな
妙な不安感があります。
「猫缶を買いに行きたいんですけど」
「行ってくれば良いじゃろ?」
お買い物と言えばっ!
車でスーパーへ行きたいところです♪
「20分ほど前に車には乗り込めたんですけど・・・」
「免許の有無を気にして居るのかね?」
「それは気にしてません♪」
「では何を気にしているのじゃ?」
もう、この明らかに観て分かると想うのですっ!
車は人間が運転する道具!
私は猫っ!
それも普通の猫っ!!!
「足がペダルに届かないです・・・」
「ほう?」
「と言うか、私の大きさじゃ運転出来ないです」
「なら、大きくしてやるか? トラくらいに」
私が巨大化・・・
今まで出来なかった事が楽に出来たりしますが
大きくなった分、猫缶の消費量が心配になったので
「えっと、姿は今のままで良いので・・・」
「ほう?」
「神様、スーパーまで運転して下さい」
「うーん まぁ、いいじゃろ」
良いのっ!? 本当に良いのっ!?
軽い気持ちでお願いしてみたのですが
まさかのOKが貰えるなんてっ!!
神対応っ!?
とりあえず、難なくお家の車を神様が運転して
近くの大型スーパーへとやってきました。
「ところで神様?」
「なんじゃね?」
「私、お金なんて持ってない」
「それなら、何か1つ断ち切りなさい」
「断ち切るって?」
「例えば、水槽の魚を捕まえないとか」
「う~ん(悩)」
「ご主人が書き物や本を読んでいる時は邪魔をしないとか」
「うむぅ~(悩)」
「寝ているご主人の顔に覆い被さらないとか」
「えぅ~(悩)」
「と言うか、やめなさい! それ窒息寸前だからっ!」
やっぱり、何かを得るには何かを犠牲にしなければ
ならないのですね・・・
「じゃぁ、水槽の魚を捕まえないっ!!」
「そうか、それなら猫缶2個ってところじゃな」
「2個・・・ 想ったより少ない(泣)」
「そんな簡単に何個も猫缶が手に入ると想うなっ!(怒)」
とりあえず、私が一生水槽の魚を捕まえないとの誓いで
猫缶を2つ得られるみたいなのですが・・・
「私は買いに行けないから神様お願いしますっ!(///)」
「えっ? ワシがっ!?」
「だってお金持っていても売ってくれると想いますか?」
「ま、まぁ・・・ 確かに無理じゃろな(泣)」
と言う事で、神様が猫缶を買いに行ってくれましたっ♪
「にゅふふ~ん♪」
結局、お家から神様に車を運転して貰い
スーパーに着いて買付にも行って貰い
帰りも勿論運転して貰い
「ただいまぁ~」
「ふぅ(疲)」
「ところで神様?」
「な、なんじゃ?」
こんな事・・・
神様に言うなんて失礼だと想うのですけども・・・
「私・・・」
「うん?」
「爪はあるんですけど・・・」
「???」
「猫缶開けるだけの力はありません(泣)」
「全く・・・ 神に向かって猫缶の蓋を開けろと言うのか」
『パカッ!』
「うにゃっ!?(驚)」
耳元で大きな音がしたと想ったら
先程まで居たはずの神様の姿はどこにもなく
「うにゃにゃっ!?」
「あはは、猫缶を開けると爆睡中でも気付くんだね~」
何やら、ご主人が爆笑しながらスマホっぽい何かで
私を撮影しております・・・
「うにゃぁ~」
「今日は特別だよ?」
「にゃ?」
「なんかね、棚の影に猫缶が2つ残ってたの」
「にゃぁ~?」
「でも賞味期限が今週で切れるから今日は特別ねっ♪」
「うにゃ!」
「まぁ、お年玉みたいなものだよ♪」
何やら、短い撮影は終了したようで
ご主人は猫缶をお皿に移しパソコンの前に
行ってしまいました。
「ふにゃぁ~?」
それにしても、先程まで居た神様は?
もしかして、ただの夢オチ?
でも、この猫缶・・・
都合よく棚の影に2つも残っている???
「うにゃうにゃ(もぐもぐ)」
人間の風習はよく分かりませんが
とりあえず猫缶は美味しいです♪
何やら・・・
ご主人が撮影していた私の動画を
何処かに投稿したら
それが臨時収入になったみたい。
猫の私にはよく分かりませんが♪