表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

はじまり1-8


 コーヒーショップでミクはブラックコーヒー、愛花はカフェラテを注文する。愛花は何があったのといった無言の圧力をかけてきた。この圧力にミクは弱い。ミライもだが。コーヒーが運ばれてくるまでお互い無言が続いた。ミクはあまりプライバシーに踏み込まれることを好まない。そのことを知っている愛花は、ミクが話すまで待つ。コーヒーが運ばれてきていい香りに包まれた。ミクの心も少し穏やかになる。


 「ミライが告白されたんですよ」


 唐突にミクは話し出した。その発言に愛花は驚き目を丸くしている。


 「え?ミライが告白されたの?あの男の子に?」

 「はい、図らずも私が気持ちを聞いてしまいましたが」

 「それでミクはなんて答えたの?」

 「ミライの事ですから。当たり障りのない返答をしておきました。ひとまずは友人関係ということで落ち着きましたよ」


 愛花はミクの配慮に感心しながらも、そうなんだ、と独り言ちる。ミライに彼氏がいたことがないことは知っている。きっとミライは戸惑ったことだろう。


 「ちなみにキスもされたようですよ」

 「はぁ!?」


 ミクの言葉に思わず過剰に反応してしまう。経験0のミライがどれだけ困惑したか安易に想像できた。それと同時に相談してほしかった。ミクが出てきたのもそのキスが原因なのではと愛花は考える。


 「ミクが出てきたのはそれが原因?」

 「いえ、夢見が悪かったんです。過去のことがフラッシュバックしてしまいまして」

 「そっか……まだ夢に見るんだね」

 「鬱陶しい限りです」

 「ミライはキスされてどう思ったのかな」

 「それはミライに聞いてください」

 「そうよね、ごめん。ミクはどう思ったの?」

 「別に何も、私の事ではないですし。それよりもバイトの事が気がかりですね」


 ミクは話を切り替えることにした。このままでは質問攻めだ。愛花のミライを心配する気持ちもわかるが、ミクに答えられることはほとんどない。なにせ自分の事ではないのだから。

 コーヒーの苦みが口内に広がる。気持ちを切り替えるには丁度いい。


 「バイトの面接が明日あるのですが、ミライはまだ眠っていますし」

 「ミクが受けるの?」


 結局は質問攻めかと小さなため息がもれる。

愛花は決して悪い人間ではないし、数少ないミライとミクを知る人間、邪険にはしたくない。また小さな嘆息がもれた。


久しぶりの恋愛事情更新です!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ