はじまり
ちょっと特殊で新しい恋愛の法則!
(拙い文章ですが頑張りますので、よろしくお願いします……)
大学の授業が終わり、食堂でスマホの中のバイト求人を眺めていた。
何かいいバイトないかなー……
バイト先をクビになり、金欠に陥った未来はバイト探しに悪戦苦闘している。そんな未来を見かねて、友人の愛花はひょいっと未来からスマホを取り上げた。
「え?ちょっと愛花!返してよー!」
むうっと頬を膨らませ、子供のような仕草で怒る未来に、愛花は深いため息が漏れる。
「はぁ、またクビになったの?」
必死にスマホを奪い返そうとする未来を躱しながら、未来が見ていたバイト情報にさっと目を通す。
「私だってクビになりたくてなってるわけじゃないよう」
未来は理不尽な理由でバイトを辞めさせられることが多かった。身に覚えのないことばかりだ。
「ごめんごめん、わかってるから拗ねないの」
愛花は未来の頬を突きながら、スマホを手渡す。
「その、ペットショップのバイトなんて良さそうじゃない?ミライは動物好きなんだし」
「え、ペットショップの求人あった?」
未来はすぐに情報を確認する。動物は好きだ。ペットショップのバイトは探していたが、なかなか条件が合わず見送り続けていた。
「ええと……あった!ここなら大学終わりに通えるし、応募してみようっと!」
「そういう時の決断力はあるよね〜」
「どういう意味ですかー!」
「どういう意味かなー?」
楽しそうに笑う愛花をよそに、ネット応募を済ませてしまう。履歴書は必要なし。面接だけでいいようだ。
ここで働けたら嬉しいなぁ、またクビになったら凹むけど……
「はいはい、そんな顔しない。今度は続くかもしれないじゃん」
「う……そうだよね、よし!まずは面接頑張る!」
「その意気や良し!」
「えへへー、ありがと」
愛花から見て、未来は生き辛いだろうなと思う。素直すぎる、お人好しすぎる。
少しだけ過去を聞くことがあったが、そんな過去があったとは思えないような明るさだ。
「そういえば愛花は時間大丈夫なの?今日はデートって言ってなかった?」
「そう、デート!そろそろ時間だから行ってくる。あんたも早く彼氏作りなさいよー」
荷物を持ち、歩き始めたと思ったら振り向きざまに余計な一言を残して食堂を出て行ってしまう。
1人食堂に残された未来は、帰り支度をしながら独りごちた。
「彼氏……か」
あまり気乗りはしない。
愛花はお洒落で顔立ちも整っていて、モテるのを知っている。それと同時に、自分が男性受けしない顔立ちなのもよくわかっているからだ。
「帰る前に食材買い出しに行かないと」
無理やり思考を切り替えて、食堂を出ようと立ち上がった。出来る限り節約しなければ、生活が破綻してしまう。1人暮らしで仕送りもないのだから。
学費出してもらえているだけ幸せだな……
「暗いぞ?」
「え!?」
誰もいないはずの食堂、驚くのは当然だ。
「こっちこっち」
声のする方を見てみると、窓の外から覗き込んでいる男子と目が合う。顔は見たことはあるが名前を思い出せない。