表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/32

「ごちそうさま」と柚が言って席を立った。いつもより少し早い時間だ。なにか予定があるのかもしれない。

「もう出かけるの?」棗がそう聞くと柚は「うん」と答えた。

「なら、僕も一緒に行くよ」と棗は言う。柚は「いいよ」と言って笑った。

 二人は二人一緒に玄関で靴を履き、ドアを開けて外に出る(猫はお留守番だ)。鍵をかけて振り返ると、柚は道路脇にいて、きょろきょろと辺りを見渡していた。友達を探しているのかもしれない。

「待ち合わせ?」棗が聞く。

 すると柚は「ううん。なんでもない」と答えた。

「出発してもいいの?」棗が聞く。「うん」と柚はうなずいた。「そう」棗はそう言って柚と一緒に並んで歩道の上を歩き始めた。


 途中で、柚の友達と合流し(やっぱり、友達を待っていたのかもしれない。柚は遠慮をして本当のことをあんまり人に言わない性格だった)棗は柚たちと別れて一人で自分の学校に向かった。

 学校はいつも通り退屈だった。だから棗は机の上でずっと、家に一匹だけで残してきた猫のことばかりを考えていた。

 棗は窓の外に目を向ける。

 そこにはとても鮮明な青色をした夏の空が広がっていた。所々に白くて大きな雲が浮かんでいる。それはとてもゆっくりだけど、確かに空の中で動いていて、徐々に形を変えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ