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初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
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47話「大会前に」

大会2週間前の練習日。


ノッカーをしていた時だった。プッシュを打たせようとした時、後輩のラケットが飛んできた。


力んで打とうとしたら手が滑ってラケットを叩きつけるような形になってしまったらしい。


「あっ…」


気づいた時にはもう遅かった。まぁまぁ距離も近く思い切りラケットが右手首に当たった。


ラケットの先端が欠け、手首を少し切ってしまった。幸い脈ではなかったので血はさほど出なかったが、手当をしてもらいに保健室に向かった。


「怜奈先輩!」


走り寄ってきたのはさっきの後輩だった。


「本当にすみませんでした…」


申し訳なさそうに謝る後輩に私は、


「大丈夫だよ、大したことないと思うからそんなに思いつめないで?それよりラケット欠けただけでよかったね」


「はい、本当にすみませんでした」


「いいって、いいって。大丈夫だよ。さ、練習戻りな?」


私はそう後輩に言い、保健室に向かった。


「先生、手首にラケット当たってちょっと血が出ちゃいました」


「あらら大丈夫?ん?」


先生は何か違和感を感じたみたいだった。


「ちょっと腫れてるわね?ちょっと見せて」


先生に手を預ける。少し捻ってみると言われ捻られた時だった。


「痛っ」


ラケットが思い切り当たったので少し打撲しているようだ。


「しばらく練習しない方がいいかもね」


そう言われた。


「でも先生!再来週大会が…」


「大人しくしてれば一週間でよくなるよ。でも念の為接骨院とかで診てもらいなさい」


絆創膏や湿布で手当をしてもらった。


「怜奈、大丈夫?」


体育館に戻ると一緒にノックを受けていた皆が心配してくれた。


「今から接骨院行ってくるね、善は急げって言うでしょ?だからごめん。先帰るね?」


私は打撲かもしれないということをその時はまだ言わず、先生に早退すると言い先に帰らせてもらうことにした。



接骨院に行くと保健室の先生が言っていた通り打撲だった。接骨院の先生は中学の時にバドミントンを教えてくれていたコーチだったので色々アドバイスなどをしてくれた。


「とりあえず1週間禁止な、大会再来週やったか?」


「そうです」


「その頃やとまだ痛むかもしれんなぁ。金曜日にもう1回おいで。固めて痛み減らすようにはするし」


「分かりました、ありがとうございます」


いつもコーチは処置をする時大げさで今回も包帯ぐるぐる巻きにされた。


次の日、


「怜奈!何それ!」


梓たちが私の手首を見て驚いた。


「ただの打撲だよ〜めっちゃ大げさにされただけ笑」


今日は練習は出来ないが、先生に報告。ということで部活に来た。1年生に教えることなら出来るため、今自分に出来ることをしようと思った。


「先生、おはようございます。昨日接骨院に行ったら打撲だと言われました。一週間は出来ません。」


「そうか、再来週大会なんにな。再来週の1週間頑張らんとな」


「はい」




それから2週間が経った。


まだ少し手首は痛むがテーピングで固めてもらい痛みは半減した。

私は試合に専念した。


だけど、私の不幸はこれだけでは終わらなかった…

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