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初恋  作者: rein
第1章〜高校1年生〜
22/98

21話「復帰/彼の行動」

大会から二週間。

私はやっと医者から部活をしてもいいという許可を貰った。私はこのことを梓達には話していない。今日は土曜日なので学校がない。私はサプライズ、までとはいかないが、皆には黙って部活に行くことにした。


だけど、先生には一応伝えてある。昨日電話をして行くことを告げた。


私は自転車を漕いで学校へ向かった。

体育館までは誰にも会わないようにするつもりだった。しかしそれは無理だった。


「神崎?」


誰かに名前を呼ばれた。

(あ〜バレちゃった〜誰だー?)

私は後ろを振り向いた。


私の名前を呼んだのは優大だった。


「大会ではご迷惑とご心配をおかけしました」


「お前もう大丈夫なん?ってか来るなら連絡ぐらいしてくれても。」


「ちょっとしたサプライズ的な?w今日来ること誰にも言ってないんだよね〜」


「じゃあ体育館行ったら皆驚くな」


「うん。本当は誰にも会わずに体育館までたどり着く予定だったんだけど…」


「残念だったなw」


私は優大と体育館に向かった。

体育館に入ろうとすると優大に何故か止められた。


「ちょっとストップな」


そういうと先に優大が入ってしまった。

何だろう?そう思って耳を澄ませていると…


「何だ〜優大か〜」


「沢峰かよ〜」


「俺じゃ不満かよ!」


「怜奈だと思った〜」


皆私のことを待っていてくれていたのだ。

私はその場で泣いてしまいそうだった。


「ここで皆にプレゼントがありまーす!」


「何だよー?」


「今持ってくるよ。」


そう言って優大が戻ってきた。


「んじゃ、行きますか?」


私は優大の後ろに隠れて体育館に入った。


「何も持ってないじゃん」


「プレゼントはどこにあんだよー」


「こーれ!」


そう言って私を前に出した。


「お久しぶりです!w」


『怜奈ー!』


人の波が押し寄せてきた。


「今日来るなんて聞いてないよー!」


「だって言ってなかったもんw」


「うちにも連絡なしかー!」


「俺んとこもこんだぞ!」


「驚かせようかと思いましてwまず、蓮先輩に言ったらすぐバラしそうだから言いませんーw」


「ひっでーなw」


ここで皆はふとあることに気づいたようだった。

皆同じような顔をして優大のことを見ていた。


「皆のとこには連絡きてなかったのに何でお前は神崎と一緒に来たんだ?」


「それはうちも思った。何で?」


「付き合ってるとか?」


誰かは分からなかったがその一言を口にした瞬間、辺りはしんとなった。


「え?いや、違うよ〜本当は誰にも会わんとここまで来るつもりだったんだけどチャリ小屋で優大に見つかっちゃって」


「そういうことか〜びっくりしたー」


皆なるほどね。という風に頷いていた。

だけど優大は何故か気に入らないというような顔をしていた。


「まぁ、そゆことや」


一言そう言うとステージの方へ歩いていった。


ガラッ


先生が入ってきた。


「おー、神崎来たか。もう大丈夫なんか?」


「病院の先生には部活をしていいという許可はいただきました。でもいきなり無理してやるとまた痛める恐れがあるということで今日はそんなに出来ないです」


「まぁ、そうやろうな。でも復帰出来て良かったな」


「よし、じゃあ時間になったということで部活始めよっか」


こうして部活が始まった。

私は部活を久しぶりにして楽しかった。

が、優大のあの顔がずっと頭から離れなかった。


「よし、終了!」


「怜奈、ごめん。今日車なんだー」


「何でこんな日に車なのw」


美鈴が私に今日は車だから一緒に帰れないと告げると梓が美鈴にどうして車なのか問いただした。


「ちょっと自転車の調子が悪くて」


「大丈夫だよ」


「本当ごめんねー!親もういるらしいからもう行くね」


「うん、バイバイ!また明日ね」


私は帰る支度をして自転車小屋に向かった。


私は帰ろうと自転車にまたがった。その時携帯が鳴った。


『もしもし?』


『俺やけど』


優大だった。


『どうしたん?』


『ちょっと話したいことある。俺の家先行って待っててほしい。』


『分かった』


それだけ会話をして電話を切った。

私は何の話なのか楽しみでもあり不安でもあった。

あの顔が頭に浮かんだからだ。


(あの嫌そうな顔はなんだったんだろう。)


そのことだけを考えながら私は優大の家に向かった。

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