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初恋  作者: rein
第1章〜高校1年生〜
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19話「大会-3日目①」

今日は大会最終日。だけど勝ち続けた人は明日、4日目まで残ることになる。私はあと一試合勝てば4日目まで残れる。ペアの美穂も同様だった。


「怜奈頑張ってよー!」


「うん、頑張るよ。でも相手がな〜」


「強いの?」


「うん。うちも美穂も知ってる。でも頑張るよ!まだだけど」


美鈴と梓は残念ながら一試合目で敗れてしまった。

優大は今日二試合目だ。


「もう少しで俺の番や。緊張するー」


そんな声が後ろから聞こえてきた。


「神崎、何かない?落ち着く方法」


「うちはいつも慌てたりしたらゆっくり深呼吸してるよ。」


私もかなり緊張するタイプで、いつも慌てていた。だけど深呼吸をするといつも落ち着いてくるのだ。


「そっか、深呼吸か。やってみるわ」


そう話していると優大の名前が呼ばれた。コートは丁度今座っているところだったので、前に出て応援することにした。


「頑張れよー」


男子たちが応援している。私も心の中で頑張れ。そう言った。


試合が終わった。結果は、残念ながら負けてしまった。相手は経験者だった。優大は初心者だったがかなり頑張った方だと思う。


「お疲れ。めっちゃ粘ってたじゃん。凄かったよ」


「俺もそう思うwでもやっぱ負けると悔しいなー俺の分まで次頑張れよな」


「分かった。」


私の番は皆が終わった後、つまり最後だった。美穂の名前が呼ばれた。


「頑張ってね!」


「勝ってくる!」


その言葉通り美穂は勝った。相手は経験者だったが美穂の方が上手だった。


残すは私のみとなった。だけど呼ばれるまでまだまだ時間がある。私は緊張していたがそれを紛らわすために皆と話していた。


番号が近づいてくるにつれ震えが止まらなかった。


「やばい、震え止まんないw」


「ねー、怜奈大丈夫?さっきからずっと震えっぱなしだよ?」


「緊張しすぎや。もう少し力抜き?」


先生にも心配されてしまった。


「そんなこと言われても。緊張してこんなに震えたの初めてだから、どうすることも出来ないよ〜」


「魔法の食べ物をあげよう。これを食べると震えが止まるぞ」


優大があるものを差し出してきた。

私はそれを口に含んだ。

入れた瞬間口の中に甘さが広がった。優大がくれたのはチョコレートだった。


「甘い。それに本当だ、震え止まってる」


「だろ?さっき緊張解すやり方教えてくれたお礼。」


「ありがと」


しばらくすると名前が呼ばれた。


「じゃあ、行ってくるね!」


『頑張れ!』


色んな人の声が重なった。


下に行くと既に対戦相手は来ていた。

そして皆も応援しに集まっていた。


私は最初は緊張していたが、打っているにつれ段々解れてきた。

試合は結構競っていた。しかし私は調子が良く、押していた。点差はそんなに広がらなかったがなんとか1セット目は取れた。


「怜奈、おいで」


上から咲先輩が呼んでいた。私はアドバイスを貰うため咲先輩の元へ向かった。


「1セット目取れたやん!やけどまだ油断したらだめやぞ?あの子結構前狙ってきとるから少し前に出て構えたらいいと思うよ」


「はい。分かりました。」


「怜奈頑張って!」


「うん!行ってくる!」


2セット目が始まった。だけど今度は相手が押してきた。私はなんとか堪えたが、あと少しというところで負けてしまった。


私は少し水分を摂るとまた咲先輩の元へ向かった。


「惜しかった。次のセットで決めよ。」


それだけだった。


3セット目が始まった。3セット目だけは11点でチェンジコートだ。なるべくここは先に11点を取りたい。今はそのことだけ考えていた。


しかし、先に取ったのは向こうだった。私は悔しくて泣きそうになった。だけどまだ負けていない。そう思って何とか堪えた。


「怜奈、足動いとらんぞ。もっと動かせ!」


『頑張れ!』


私は負けるわけにはいかない。そう思って最後挑んだ。



しかしその最終セットで、私は負けることになる。

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