17話「宿泊-2日目①」
今日も皆で集まってご飯を食べた。
皆で食べるのは本当に楽しい。この時間が1番幸せかもしれない。
「今日のご飯も美味しいね!」
「うん、美味しい!量多いけどw」
「怜奈は食べなさすぎなの。でも確かに量多いw」
女子にとっては量が多かった。男子にとっては丁度良かったかもしれない。
「男子でも女子でもどっちでもいいけど、もしまだ食べられそうな人がいたら女子の分手伝ってあげて〜w」
と、咲先輩が呼びかけると
「俺らまだまだ行けるぞw」
と、蓮先輩が答えた。
男子が立ち上がり回ってきた。
「神崎食べなさすぎじゃね?w」
優大と蓮先輩が私のところに来た。
「そんなこと言われても、こんなに食べらんないよ?逆に何で食べられるのw」
「そんなのもちろん食べ盛りだから」
「じゃあ食べ盛りの優大と先輩にこれあげる」
「お前これ手つけた?」
「つけてないよ」
私はあまり手をつけていなかった。
最近少し食べただけでお腹がいっぱいになる。そして喉を通らなくなっていくのだ。
「食べんと倒れるぞ?」
「大丈夫!はい、持ってって〜」
私はそう言って2人を追い返した。食事のことで誰かにあーだこーだ言われたくないのだ。
皆食べ終わり、解散となった。私たちは部屋に戻って、遊んでいた。しかし…
私は少し気分が悪くなってきた。
「ごめん、ちょっと外出てくるね」
「大丈夫?どうしたん?」
「んーちょっと気分良くなくて。少ししたら楽になると思うから2人はそのまま遊んでて!」
「分かった〜」
私は会話を終えるとイヤホンと携帯と水を持って廊下に出た。
廊下は少し生ぬるかった。その気温が更に気分を悪くさせた。
私は廊下の窓を開けた。ヒンヤリした風が入ってきた。その風は私にとって心地よかった。
ガチャ
誰かが外に出てきたみたいだ。でも私は座り込むほど気分が優れていなかった。
「神崎?大丈夫か?」
外に出てきたのは優大だったらしい
「大丈夫じゃないかな…気分悪い」
「気持ち悪いとか?」
「そんな感じに近いかな」
「ちょっと待っとれ」
そう言って中に入っていった。
「これ飲んだら少しは楽になると思うぞ」
そう言って優大が渡してきたのは薬だった。
「ごめん、ありがと」
私はそう言って受け取った。
「いつから?」
「ご飯食べてからかな…?毎回こうなんだよね。旅館のご飯はうちには向いてないみたい。明日の朝は食べないでおこうかなって思って」
「体調悪いまま大会に出て後悔はしてほしくないからその方がいいだろうな」
そう話していると色んなとこから人が出てきた。
皆それぞれ大丈夫?どうしたの?と聞いてくる。私はそれぞれに大丈夫。と答えた。
「神崎、体調優れんとこ悪いんやけどちょっといいか?」
優真先輩がそう言ってきた。
「あ、はい。 優大ありがとね。もう大丈夫」
「そっか。無理すんなよ?」
私は少し体調が良くなってきたので先輩について外に出た。