初期の思い出
初めて書いて投稿したのは2014年の頃だった。
MMORPGのキャラでもあり、自作ゲームのオリキャラでもある姫奏ちゃんを主人公にした物語である。
このキャラには、相当な思い入れがある。
先述したMMORPGでは10年以上そのキャラを育てて来て、その間に溜め込んだ妄想を小説化することが出来れば、本一冊分くらい余裕だろうと思った。
当然今まで本を読んだこともない、書いたこともない身なので、右も左もわからず、先駆け者の方々に学ぼうと、このときはかってないほどの集中力で投稿作品を読むことが出来た、紙媒体であれば決して読むことが出来なかった文章が、ネットの横文字文章になっただけで読める事がわかった瞬間でもある。
この気付きは大変な収穫であった。
と同時に、もう二度と「障害があるから文字を読めない」という言い訳は済まされない自分を戒める楔にもなった。
※相変わらず紙媒体では集中力が続かず読めないのだが。
「小説の書き方」、について書いてあるサイトや、小説家になろう内にある指南系の話も目を通す。
この時初めて、一人称視点や三人称視点というものがあると知るくらい素人である。
始めてきた感想欄には、感想というより、それは誤字脱字の指摘であったがそれもありがたい。
「・・・は三点リーダーと言って、……と書いたほうが良いです」など親切に教えてくださる人たちが沢山現れた。
公式サイトに宣伝にツイッターを使いましょう的なものをみつけ、ツイッターにも登録したのがこの時期だ。
@の後に“小説家になろう”をつけると良いみたいなので、アカウントの名前には、右にならえで【うああじた@小説家になろう】のようにした。
すると、次々と小説家になろうに登録しているユーザーさん達からフォローが来て、今まで誰からも話しかけられず、話しかけることも知らなかった自分が、人間に触れることなど無い人生を歩んできた自分が、人と交流している! それは新鮮で、凄い出会いであった。小説を書き始めて、副産物でしか無いと思われたツイッターなのに、「凄い、楽しい!」と思え、相変わらず文章力など無きに等しい小説素人の自分でも他人に支えられ続けることが出来ていた。
今まで物を書くということが苦痛で大嫌いだった自分が、徹夜で日が昇るその時まで集中して文章入力していたのだった。
「ペンを持てば、ひらがなの『る』を書くのもままならない自分がめっちゃぺらぺら字を書いてるよ!」と、手に持つペンで文字を書くのはダメダメだが、パソコンで文章入力するのは楽しいんじゃないか???と気付いた瞬間である。
実際に夜通し休憩なしで集中出来ているのは楽しいからである。
喋ると千と千尋の神隠しのかおなしさんみたいに、声が出ない自分でもスラスラ台詞を書けるのも文章入力の凄いところである。
だが、やがて壁が目の前に立ちふさがる。
『地の文』である。