第二章「出会い」
中学校に入学して3日が経った。新入生はこの時期部活の仮入部期間だ。だから私は麗亜ともう一人の友達の麻琴と剣道部に見学に行くことにした。私達は階段を降りて二階にいった。「道場ってこっちだよね?」私は2人に聞いた。「うん、こっちであってる」麻琴にそう言われ安心しながら道場へ向かった。道場に来るとさっそく練習が始まっていた。面をつけ防具を付けたその姿はとてもかっこよかった。「かっこいい!!」三人して口を揃えて言ってしまい、私達は笑ってしまった。その姿に気づいたのか一人こっちへ向かってくる人がいた。ドキッとして慌てて笑うのをやめた。その人はゆっくりこっちへ近づき、私達の前で止まった。私はその人を見た瞬間心の中で何かが揺れた気がした。「君たち新入生だよね?見学なら中入って」そう言われ私達は道場へ入った。中に入ると畳や賞状があった。「君たちはそこで座って見てて」そう言われ私達はその場におずおずと正座をした。私達の様子を見てからその人は練習を再開させた。練習している姿を見て私はものすごく興奮していた。ーすごい!先輩ってこんなにかっこいいんだ!そんな事ばかり考えながら練習をみていた。練習をみているうちに気づいた事があった。ーわたし、さっきからあの人ばかり目で追ってる…。あの人のタレには篠原 と苗字が書いてあった。ー篠原先輩か…。あれ?なんか胸がモヤモヤする…。そんな事を考えていたら、あっという間に時間が経った。「お疲れ」さっきの人に言われ私達は「お疲れ様でした。」といって帰りじたくをはじめた。先輩たちも練習を終えて、面を取っていた。あの人も面を取りはじめていた。私は帰る支度のふりをしながら見ていた。ドキッとした…彼の顔を見た瞬間、運命を感じた…一目惚れだった。私は支度をしている2人をおいて一人で走って玄関にむかった。気づくと私は、涙を流していた…。
思い出すだけで懐かしい。また三話てお会いしましょう!