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嫌われ者の優美

「さあ、言いなさい。犯人は貴方なんでしょう?」





・・・・・・・・・ああ、快感だ


この言葉を発している瞬間が、人生の中で一番心地良い時間だ。


そもそも、私はこのセリフを言うために刑事になったといっても過言ではない。


『刑事ドラマのよくあるオチ』・・・これを私は欲していた





しかし、世の警察上層部のバカどもは

私を生活安全課へと追いやった。


ただ1回!ただ1回のミスによって!!



たった1度、私の推理が誤っていて・・・そのせいで容疑者が自殺したくらいで!

それだけでバカどもは私を捜査一課から生活課へと!!!



生活課の仕事は本当に退屈だ!

相談に来るのは決まってストーカーだの防犯対策だの

私の欲求を満たしてくれるものなどない!



しかし・・・1週間前私は興味深いことをある女性から聞いた


その女性とは生活課へストーカーの相談にやってきた人であった。



「元彼につきまとわれている。どうにかしてほしい」といった相談内容だった


私はいつも通りテキトーにあしらった・・・



ところが・・・その翌日。その女性は殺された

私も、その女性が前日相談に来たということもあって、現場にたちあった。



・・・とても美しい亡骸であった

鋭い刃物のようなものでいろんな箇所をずたずたにされていたのだ。

久しぶりにみた死体に、私はつばを飲み込みそうになるのを押さえながら

刑事たちに前日の女性の様子を伝えた。



それから私は、そのストーカーについて懸命に調べた。

・・・もちろん、「あのセリフ」を言うためにだ


捜査一課に先を越されたらいけない。


私は、捜査一課のデータベースをハッキングし、捜査資料を念入りに読み込み

独自の捜査を延々行った



・・・そして、ようやくたどり着いたのだ

私が愛してやまない犯人を!



おそらくそのストーカーはすぐにこう言うだろう

「ごめんなさい刑事さん!僕の負けです!!」







「いえ、違いますよ」

その醜い顔をした男は予想外の答えをしめした



・・・バカな、私が間違えた?

そんなはずはない。この男にはさっきから私の調査結果を十分説明した

理解できないのだろうか、私の説明に。


     ・ ・ ・ ・

とことん使えない男だな



「たしかに僕は、美衣乃みいのをストーカーしていた。ああ、認めよう。」

「美衣乃が僕より別の男を選んだからね」

「しかしね、君は刑事だろう?聞いてないのかい」

「犯人はもう、捕まったはずだよ?」




・・・ストーカーはそうまくし立てた




はんにんがつかまった・・・?




「たしか、犯人は美衣乃の妹・・・稀衣乃だったはずだ」

「まったく、姉を殺すとは・・・とんだ妹だ。前々から変わった娘だとは思ってたが・・・あれほどまでとは」





私が・・・間違えただと・・・



冗談じゃない。こいつが絶対に犯人なんだ


妹?そんなことは資料に書いてなかったはずだ

1日,2日で妹が捜査線上にあがったというのか!?





フザケルナァ・・・・・・・・・




「おい、おまえ」

私は、ストーカー男の胸ぐらをつかんだ

「な・・・なんですか・・・?!」




「どうして・・・」

「え?」




「ドウシテ、オンナヲ、コロサナカッタ・・・?」

「あたしのお姉さん」の別視点ストーリーです


こんな刑事いたら怖いです。笑

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