死刑宣告
「こんにちは!」
・・・道を歩いていると、突然知らない少年に声をかけられた
最初は人違いかと思い、素通りしようとしたけれど
「あ、まってよなぎさ!」
と、私の名前を呼ばれてしまったので、仕方なく立ち止まった。
・・・実は今めちゃくちゃ忙しいのだけれど。
上司に提出するはずの書類をどこかに落としてしまったのだ。
もうすぐ出社時間。
いちおう、会社には「遅刻する」と連絡を入れた。
それだけで上司はキレる寸前だったので、書類をなくしたなんて今更言えない。
下手したら減給・・・もしかしたらクビ・・・!?
3年つとめてようやくつかんだ地位をはなしたくはない
だからこそ、私はなんども道を行ったり来たりしているのだ。
だからこんな少年の相手をしている時間はない
「な・・なんですか?」
私はぶっきらぼうにそう訪ねた
「まあまあ、そんなに怒った顔しないで♪」
と、少年は笑顔を見せた
・・・よく見ると、かっこいい。
・・・いやいや、そんなことを考えている暇はない
早いところあしらって書類を・・・
「これ、落とさなかった?」
私が何かを言おうとしたとき、少年は1冊の封筒を差し出した
・・・それはまさしく、私が探していた書類だった。
『軽くあしらおう』なんて思考は消え、私にはその少年が神に見えた
「あ・・・はい!そうです!!ありがとうございます」
と、私は精一杯の感謝の気持ちを伝え、封筒を受け取った
「どういたしまして・・・」
と、少年は残念そうにつぶやいた
そしてもう一度私がお礼を言おうとしたとき
「・・・本当は、渡そうかどうか迷ったんだけどね」
と、少年がつぶやいた。
「・・・え?」
不可解な発言に、理由を聞こうとしたが
それより先に少年が答えてくれた。
「・・・だって、なぎさ。あと34秒02で死んじゃうんだもん」
・・・顔が整った顔は、本当に残念そうな顔をしていた
冗談じゃない。
いきなり現れて、私の名前を知っているし、死ぬだなんて・・・
私は少年の不可解な発言にいらだち、こう言い返した
「あのですね、この書類を拾ってくださったことは感謝しています。でもいきなり死ぬだなんて失礼ではないですか?だいたいあなた一体何者・・・」
・・・これ以上、私の言葉は続かなかった
・・・なぜなら私が口を開いている時、頭上から大きな四面体のコンクリートが落ちてきて、私の頭に見事直撃したからだ
「ばいばい。なぎさ」
少年は明るい顔に戻して、手をひらひらさせていた。
テキトー集のなかで、一番意味不明なのができあがりました。笑