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いきちがい

「ねえ、ぱぱ。これからどこにいくの?」


「どこって。おばあちゃんちだよ」


「おばあちゃんち?だってこのまえいったばっかじゃん」


「そうだね。でもね、どうしても行かなきゃいけないんだ」


「どぉして?」


「ぱぱ達にはそこしか居場所がないからだよ」


「なんで『いばしょ』がないのぉ?みみ、おばあちゃんちいかないとしんじゃうのぉ?」


「ううん!美実みみはとっても良い子だから、死なないよ」


「じゃあ、どうして?」


「それはね・・・」


「あれ?ねぇねぇぱぱぁ。ままはどこにいったの?」


「え・・・!?」


「もしかしてぱぱとままいつもけんかしてるから、おいてきたのぉ?」


「え・・・えっとね・・・それは・・・」


「あれ!ぱぱのこーとにあかいくれよんがついてる!」


「っ・・!?」


「おえかきしてたんだ。だめよ、こーとよごしちゃ・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「どうしたの、ぱぱぁ。さっきからだまって・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・美実」


「ん~?」


「・・・ごめんな」


「えっ?」







・・


・・・


・・・・




 あ?もしもしぃ。智聖ちさと

あたしあたし。みみ!


 え、いま?・・・ド田舎なう。

父親に連れられてここまで来たんだけど・・・

ちょっと聞いてくれるぅ?マジうける話!


 今朝ねぇ、みみが起きてきたら~・・・

父親が母さんの首しめて殺してんの!マジうけるっしょ~!

あたしもビックリしちゃってさぁ、部屋に戻ろうかと思ったんだけどさ。

父親がこっち向いてきたの。マジもう死ぬかと思って。


 それでそれで!

あたしいつもどーり赤ちゃん言葉で「ぱぱ、おはよう」って言ったの

そしたらあいつ凶器のロープ後ろにかくして「あ・・・ああ、おはよう」とか言ってくるし。


 え?智聖知らないっけ?あたしの父親、あたしを幼稚園児だと勘違いしてんの。

ただのキチガイ。脳がぶっとんでんじゃない?

だからね、いつもあたしに赤ちゃん言葉で話してくんのぉ!

ウケるっしょ?あたし今年で17よ?ってあんたも同じか!

だから母さんと相談してあたしも父親の前では「幼稚園児」として生きてたんよ?

え、知らなかった?ってかあたしが話してないだけか。ウケる


 あ、話の続きね。母さん殺してるところあたしが見てないとでも思ったのか・・・

急に「出かけるから、準備して」とかほざくのぉ。

しかもその間も「くつしたはいた?」だの「いつもの魔女っ子ちゃんのバッグ持った?」とかうぜーことばかり言ってくるし。



 で、とりあえずここまで来たんだけど

どーやらあいつ、自分の母親の家に行きたかったみたいで!

どんだけマザコンなんだよって話。ははっ、ウケる。



 マジうざいから隙を見て救急車と警察呼んだ後おちょくってやったの。

「あれあれぇ~?ぱぱのコートに赤いシミがついてますぞぉ~?」的なこと言って!

え?マジマジ!ガチ!あたし上手いっしょ?幼稚園児の演技



 そしたらさ、あいつあたしの首もしめて来たんだけど、ウケるでしょ!

もぉ、さすがにウザさマックスで、殺しちゃった。あのキチガイ



 いや、あたしもガチやばかったから!死ぬかと思ったもん~

あぁ~、智聖泣かないでぇ!あたし死んでないからぁ~



 え?死体・・・ああ、近くのゴミ箱に棄てといた

だってぇ、じゃないとあたし疑われるじゃ~ん

えぇ~?智聖ひどい~!あたしだってそれくらいの賢さありますぅ!





 ・・・ってわけでさ、智聖

今晩泊めて!一生のお願い♪

行き違い


いいキチガイ

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