終章
自分が結婚式を挙げているところなんて、想像したことは一度もなかった。
結婚願望なんて持ち合わせていなかったし、結婚式をする価値を見いだせなかったからだ。
そんな自分が結婚式に臨むのだ。
高揚感も何もなく、ただ醒めた思いでその時が来るのを待った。
ヴァージンでもないのにヴァージンロードを歩き、愛してもいないのに、愛を誓う。
大嘘つきでごめんなさいと大声で叫びたくなりそうだ。
叶えられなかった願い。
一度だけでいい、愛している人に愛されてみたかった。
愛される幸せを享受したかった。
儚い願いは、枯れていく。
私の内を満たすものは絶望だけ。
それでも、私は笑顔で、誓いを交わすだろう。
望みは消え失せ、生きているのか、死んでいるのか……。
読後感最悪ですね。自分で書いてて嫌になってきた。
でも、紗柚はああいう風にしか生きられなかったと思います。いろいろ話のパターンとして、『病院の検査の結果、余命数年バージョン』とか、『遠藤が運命の人バージョン』とか、『藍さんと会って恋愛に発展バージョン』とか、でもどれも嘘っぽくて紗柚には起こらないことかなと、結局こんな終わり方にするしかありませんでした。
紗柚は幸せなんて望んでいないと言いながら、人一倍渇望していたと思います。




