ユウヤツ vs 少年シュリク
営内・将官用の幕舎。
少年シュリク:
さっきのお祭り騒ぎ……あれ何!?
侍女ヒャクナ:
あの男――ユウヤツが、壇上で発言してた。
大男ニキア:
ヒャクナに勝った奴か……発言傭兵って話だが。
少年シュリク:
何者なんだろ?〔章〕も通じなかったし……
侍女ヒャクナ:
……〔最終章〕、通じてたよ。
言語も内容も通じたのに、倒せない――〔退けられた〕としか。
シュリク:
退けられた……??
ヒャクナ:
あんたの〔傀儡章〕は、どうだろうね……?
シュリク:
……実験しに行く?
大男ニキア:
おい……遊びに行くなら、目立たんようにしろよ。
アルンと俺ら護衛の存在は、機密なんだからな?
◇
ヒャクナ:
あの……
シュリク:
ユウヤツ、さん。
ユウヤツ:
やぁ、2人とも。ユウヤツでいいよ!
シュリク:
……じゃあ、ユウヤツの兄ちゃん!
ユウヤツ:
(こ・この子たち、王族のお付きなんだよな……?
不敬に気を付けないと……)
ヒャクナ:
ユウヤツ……ちょっと、実験していい?
ユウヤツ:
……実験?
シュリク:
そそ、ジッケン! 悪いようにはしないから。
気さくに語る少年シュリク……
しかしその表情は無機質な物へ急変し、特殊な発言が始まる。
シュリク:
『傀儡章――高圧・高温・波乱』
[発言力 4000/4000]
ユウヤツ:
……?
[130000/130000]
シュリク:
「発言〔しろ〕。俺はユウヤツ」
ユウヤツ:
…………
シュリク・ヒャクナ:
…………
ユウヤツ:
……実験、できた?
少年が発言した傀儡章――発言〔しろ〕。
状況からして、確実に危険な発言であり発言法だったが……
シュリク:
ご、ごめん……!! 俺、用事おもい出した!!
ヒャクナ:
わ、私も……!!
ユウヤツ:
お、おい……?
(――あれ? くぐつ?
今の発言……俺、聞き覚えがある……?
◇
少年と侍女は戦慄から、齢相応の表情を取り戻す。
シュリク:
……は・発言を、操れなかった!!
ヒャクナ:
ニキアに報せないと! これは有事のはず!!




