包囲戦
公子セラキら司令部は、かの平地林を敵拠地と速やかに推定――
セラ兄妹率いる1個中隊360名が、包囲を展開していた。
大隊長:
残念ながら……敵4人は包囲を抜け、林を脱出したようです。
報告の通り、敵にも指揮の心得があります。
近衛兵:
セラキ様、続報です!
公子セラキ:
……よし。後詰め中隊が、第2包囲に成功した。
馬を奪えていないが疲労はさせたはずだ。
大隊長:
見事に嵌まりましたな……!
公女セラハ:
敵も指揮を要訣するならば――それゆえにお兄様とわたくしを想定し、
撤退しようとして嵌まるのです! 退路の予測も容易い地勢でしたわ!
セラキ:
後詰めの方に、ユウヤツとゲガンを伏せてある。
時間を稼ぐと期待しよう。
大隊長:
! あの傭兵どのが、あちらに!?
さすがのお手並み……!
セラキ:
騎兵を集めろ! 我らも急ぎ、包囲へ向かうぞ!
同平原。新たに包囲された、別の廃墟。
後詰めの1個中隊が第2包囲を展開する中――
従者ゲガンとユウヤツが、接敵するべく突入する。
従者ゲガン:
ユウヤツ殿、ご武運を!
ご兄妹のご到来まで、可能な限り時間稼ぎを!
ユウヤツ:
了解です! 攻めすぎず・逃げすぎず、ですね?
藤色髪の少年:
…………
ユウヤツ:
君は……?
藤色髪の少年:
あのさ……帰ってくんない? そうすれば何もしない。




