公子セラキ vs 大男ニキア
ドレーダ平原。ユウヤツから逃れ、騎馬で駆ける大男の一行。
しかし瞬く間に、公子セラキ指揮の騎兵隊に包囲される。
少年シュリク:
か、囲まれてる……!? いつの間に!?
坂向こうから2騎将――公子セラキ・公女セラハが現われる。
両人は従える白駿馬・黒駿馬に乗り、一行を見下ろす。
公子セラキ:
我はセラキ=デヤー=ドレーダである!
黄肌の大男、降伏せよ!
公女セラハ:
従いますわたくしは、セラハ=ウリア=ドレーダ!
少年2人の待遇は、保障されます!
黄肌の大男:
妹まで来たか……ヒャクナ、発言の準備は?
侍女ヒャクナ:
……もう、立てるよ! 私も……戦える!
[発言力 4/4000]
女は口の噛み物を懐中に収め、発言に臨む。
大男が彼女を馬に載せる際、舌を噛まないよう押し填めた物である。
黄肌の大男:
先に襲ってきたのはそっちだろう!? 信じられねえ!!
公子セラキ:
企みはやめるがいい! 敵ながら見事な退却であった!
しかし我らの練度を、もはや察したであろう!?
公女セラハ:
身が潔白であれば、先ず降伏しなさい!
少年シュリク:
ニキア! もう、俺が本気で発言するしか……
大男ニキア:
……待て。それであの2人を倒したら、騒ぎになる。
俺だけ身元を明かして、交渉した方が良い……
シュリク:
けど!
大男ニキア:
シュリク。この子を――アルンを頼む。
シュリク・侍女ヒャクナ:
…………
緑髪の男の子:
~~~。
男の子も、口に噛み物をさせられている。
漏れ出る幼気な声は、ドレーダ兵たちの緊張も和らげる。
ニキア:
アルン。シュリクお兄ちゃんにくっついとけ。いいな?
アルンくん:
ふん!!(うん!!)
ニキア:
セラキ公子、まず俺だけ降伏する! あんたと俺で交渉したい!
彼女たちは、まだ駄目だ!
セラキ:
……よかろう! 馬から降りよ!
セラキ:
セラハ……包囲をまだ解かせるな。
幼子を連れながら、ユウヤツとゲガンから逃れた相手だ。
妹セラハ:
了っ!
ヒャクナ:
シュリク、背中は任せたよ。
シュリク:
あぁ! アルン、俺たち2人から離れるなよ?
アルンくん:
ふん!!!(うん!!!)
近衛の騎兵たちは軍旗を平原に突き立て……
兵装や飾り布を用いて、簡易な会場を敷設した。
ドレーダ兵の練度に、大男ニキアは敬慕を覚える。
ニキア:
齢の割に、あんたは話ができそうだ。
セラキ:
そう願う。では、交渉を始めよう。




